米ロサンゼルス市議会(Los Angeles City Council)は10月27日(現地時間)、市の業務システムをGoogle Appsで置き換える725万ドルの契約プランに満場一致で合意した。地元紙の米Los Angeles Timesなどが報じている。来年にも導入されることになる新システムにより、同市職員約3万人がGoogleの電子メール等のクラウド・アプリケーションを業務に使用することになる。

今回の出来事は、Microsoft Officeなど企業のフロントエンドシステムの独占的シェアを持つMicrosoftに対抗するGoogleなどクラウド関連の新興企業らにとって追い風となる。12対0という全会一致での決定となった本計画だが、そこに至るまでは警察関係者やロビイストなどの団体がクラウドなどの新技術におけるセキュリティ上の懸念を理由に強固に反対活動を続けており、審議に1年近い歳月を費やしている

。LA Timesによれば、こうした反対活動はMicrosoftを含む既存のソフトウェア企業も支援していたといわれ、ロサンゼルスはライバル同士がつばぜり合いを繰り返す場となっていた。今回の市のシステム導入計画はComputer Sciences Corp.との契約で行われるが、ここにはもし情報漏洩等の問題が発生した場合に同社が賠償を支払うという条件が付与されている。

なお、システム導入は2010年6月までの完了を見込んでおり、一部従業員でのテスト期間を経て入れ替えが行われるという。そしてこれら検証が完了した段階で、ロサンゼルス市警察(Los Angeles Police Department: LAPD)を含む市の関連機関のGoogle Appsへの移行が行われる。