米商工会議所が10月26日(米国時間)に著作権侵害でThe Yes Menを訴えたことを発表した。Yes Menはパロディを通じて企業や組織、製品などの裏の意味を浮き彫りにするカルチャー・ジャミング(Culture Jamming)グループである。10月19日(同)に、商工会のものとそっくりのWebサイトを作成し、地球温暖化対策に関する偽物のプレスリリースとスピーチの記録を公開していた。
米商工会は地球温暖化対策に関して、米議会で検討されている「キャップ・アンド・トレード」方式に反対している。この環境問題に対する消極的な姿勢には批判が多く、Apple、電力大手のExelonやPG&Eなどが商工会を脱退する騒動となっている。
Yes Menが19日から公開しているパロディWebページには、商工会が温暖化対策法案を支持するという模造プレスリリースと新しい方針を説明する商工会CEOのThomas J. Donohue氏の偽スピーチが掲載されている。商工会のWebサイトから取得したと思われるロゴなどが使用されており、また商工会のWebページにきちんとリンクも張られている。注意深く読まないと偽物と判らない。Reuters、CNBC、Foxなどの報道メディアがYes Menのパロディを本物と誤認して、商工会の方針変更を速報で伝えてしまったほどだ。
米商工会はパロディWebサイトを取り下げるように、Yes MenおよびYes MenのWebページをホストしている会社に依頼したものの受け入れられなかった。そのため訴訟に踏みきった。パロディを名誉毀損として訴えると判断が難しくなるため、Yes Menが商工会のWebサイトをコピーしている点にターゲットを絞った模様だ。非営利団体EFF(Electronic Frontier Foundation)がYes Menのサポートを表明しており、同団体に所属するシニア弁護士のMatthew Zimmerman氏は「パロディの権利はすでに確立されており、著作権法と”言論の自由"条項で保護されている」と指摘している。商工会側はYes Menの行為がパロディではなく、「The Yes Men Fix the World」という新作映画の宣伝行為の色合いが強いと反論している。
Yes Menは過去に、George W. Bush大統領の公式サイトとそっくりのサイトを作り、2004年には選挙キャンペーンに紛れ込んで同大統領を皮肉っぽく支援した。2008年には「イラク戦争終結」を伝える偽物のNew York Times紙の号外を印刷してニューヨークとロサンゼルスで配布。またWTOの偽Webサイトを作り、スーツ姿でWTOの代表になりすましてスピーチを行ったことでも知られる。
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