米Appleが開発中と噂される新型タブレットデバイスについて、新たな噂が飛び出してきた。米New York TimesのエグゼクティブエディターBill Keller氏が社内向けに行ったスピーチの中で、Appleが新デバイスを準備していること、その名称を「Apple Slate」と呼んでいることが話題となっており、噂がより現実に近付きつつある様子がうかがえる。

スピーチを行った時期は不明だが、先週の出来事とみられる。Keller氏はNYTのデジタル部門関係者を対象にしたTheTimesCenterでの内部ミーティングの中でスピーチを行い、次のような発言を行ったという。各メディアが26日、同件について報じている。またスピーチのビデオ映像の一部も公開されている。

We need to figure out the right journalistic product to deliver to mobile platforms and devices. I'm hoping we can get the newsroom more actively involved in the challenge of delivering our best journalism in the form of Times Reader, iPhone apps, WAP, or the "impending Apple slate", or whatever comes after that.

我々は、モバイルプラットフォームやデバイスを対象に正しいジャーナリズムに基づいた製品を見つけ出す必要がある。我々の最高のジャーナリズムを届ける試みに、より積極的に関与したニュース放送局を構築するのが望みだ。その形態は、Times ReaderやiPhoneアプリ、WAP、あるいは"間もなく登場するApple Slate"、これから登場するものすべてだ。

Times Readerとは、Adobe AIR向けのNYT専用リーダーアプリケーションのことだ。NYTはすでにiPhone用アプリも提供しており、WAPは一般の携帯電話となる。

問題は、"impending (間もなくやってくる)"な"Apple slate"だ。Appleはいまだデバイスの存在について公式に認めていないため、噂か、すでに知っている情報を基にしたかは不明だが、Keller氏はデバイスの存在を明言している。Appleは新型タブレットをAmazon.comのKindleのような電子ブックリーダーのようなデバイスに応用することも検討しているといわれ、NYTを含む複数の新聞社や出版社にコンテンツ提供の交渉を行っていることが伝えられており、Keller氏がすでにAppleと交渉の席を持っている可能性がある。

また名称についても、これまで「iTablet」のようなものが略称として一般に使われることが多かったが、ここで初めて「Apple Slate」として名前が出てきている。「slate (石版)」という意味で単に形状を指してそう発言したのか、あるいは製品名称が「Apple Slate」なのかは不明だが、興味深いコメントだ。