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Firefox 3.0でフォントのカーニングや合字などのレンダリング技術が導入されるなど表現力の向上が実施されたが、システムで提供されているフォントを使ってレンダリングを実施するため、提供されているフォントの違いによってレンダリング結果が変わってくることがあった。Firefox 3.5ではCSSのサポート機能として@font-faceに対応することで、この問題に対処している。@font-faceはレンダリングにオンラインフォントを指定できるようにする機能。レンダリングに同じフォントが使われるようになるため、その分レンダリングの差異を少なくできる。

Firefox 3.5 (Gecko 1.9.1)でサポートされているフォントフォーマットはTrueTypeとOpenTypeの2つ。これに加えてFirefox 3.6 (Gecko 1.9.2)ではWeb Open Font Format (WOFF)が利用できるようになるという。@font-faceのサポートはFirefox以外ではSafari 3.1 (Webkit 525)がすでにTrueTypeとOpenTyopeをサポートし、Operaが次期バージョン10.0で同じくTrueTypeおよびOpenTypeのサポートを計画している。

@font-faceは同じフォントを使えるようにすることで同一のレンダリングを実現することに役立つが、ライセンスについて考慮する必要がある。Firefox 3.6でサポートが予定されているWOFFはこの問題を解決するための機能を提供している。WOFFの特徴は次のとおり。

  • TrueTypeやOpenType、Open Font Formatで使われているテーブルベースのデータ構造の圧縮バージョンが採用されている
  • メタデータとベンダが利用できる追加のデータ構造が用意されている

結果としての次の利点がある。

  • WOFFにはライセンス情報を含めるためのメタデータとデータ構造が追加されており、TrueTypeやOpenTypeフォントをオンラインで提供してくないと考えているフォントベンダに対しても扱いやすいフォーマットになっている
  • フォントデータの圧縮が実施されているため、圧縮されていないTrueTypeやOpenTypeフォントが使われている場合に比べて、フォントサイズを小さくし、高速なダウンロードを実現できる

Firefox 3.6で提供される@font-faceでは、HTTPアクセスコントロールでアクセス規制を緩めない限りは同じドメインに存在するフォントのみが利用できる設定になっている。また@font-faceが利用されている場合、まずシステムに用意されているフォントを使ってレンダリングを実施し、指定されているフォントをダウンロードしたあとでそのフォントへの置き換えが実施される。WOFFのデモンストレーションはのFirefox開発版で試用できる。