楽天リサーチは21日、インターネットバンキングに関する調査の結果を発表した。これによると、PCでのネットバンキングの利用率は2008年10月に行った調査とほぼ同率の約7割にとどまっている。同社では、「飽和状態の打開には携帯からの利用を増やすのが鍵」と分析している。

調査は、9月17日~24日にかけて、楽天リサーチ登録モニターの中から、全国の20~69歳の男女計1,000人を対象にインターネットで実施した。

これによると、私生活におけるPCでのインターネットバンキングの利用経験を聞いたところ、「はい」が68.2%、「いいえ」が31.8%となった。この結果は、2008年10月に実施した調査と同率で、「(PCからの)インターネットバンキングの利用状況は飽和状態にあることが分かった」(楽天リサーチ)。

「はい」と回答した人のうち、利用頻度が最も高かったのは、「月に2~3回」で33.1%、次いで「月に1回未満」が21.1%、「月1回」が18.6%と続いた。2008年の調査と比較すると、「ほぼ毎日」「週2~3日」「週1日」の利用頻度が高い層で、利用が減少傾向にあることが分かった。

2008年の調査と比較すると、「ほぼ毎日」「週2~3日」「週1日」の利用頻度が高い層で、利用が減少傾向にあることが分かった。

さらに、PCでのネットバンキングの利用経験がある人に、ネットバンキングの用途について質問したところ、「残高・入出金明細などの預金口座の情報照会」が最多で83.3%、次いで「他口座への振込・振替」(77.5%)、「ネットショッピングやオークションなどの決済サービス」(50.3%)が続いた。

「残高・入出金明細などの預金口座の情報照会」は前年比12.3ポイント増、「他口座への振込・振替」は同36.2ポイント増と大幅に伸びている。楽天リサーチでは、「預金口座の情報照会や他口座への振込・振替が、ネットバンキングの利用方法として定着した感がうかがえる」としている。

一方、私生活における携帯電話からのインターネットバンキング利用の有無を聞いたところ、「はい」が16.0%、「いいえ」が84.0%で、PCに比べて利用者が少ないことが分かった。2008年10月の調査でも、「はい」が15.6%、「いいえ」が84.4%であったことから、「携帯電話からの利用が拡大しているとは言いがたい」(楽天リサーチ)結果となった。

利用頻度は、「月に1回未満」が28.8%、「月に2~3回」が23.1%、「月1回」が18.1%だった。また、「以前は利用していたが、現在は利用していない」という回答も14.4%に上った。

携帯からのネットバンキング利用で「いいえ」と回答した人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは、「携帯電話から銀行取引を利用する必要がないから」だった

携帯からのネットバンキング利用で「いいえ」と回答した人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは、「携帯電話から銀行取引を利用する必要がないから」で47.5%、次いで「通信費(パケット料金)がかかるから」(37.4%)、「画面が小さく、情報が見づらいから」(31.9%)などが上位だった。楽天リサーチでは、携帯からのネットバンキング利用普及には、「"携帯電話だから利用する"動機が必要」と分析している。