シマンテックは9月25日、「仮想環境下での災害対策(DR)に関する調査」の説明会を開催。7月2日に発表したDR調査結果の中から仮想環境に特化した項目を拾い出し、前回発表されなかったものも含めてまとめて公開した。

同調査は、米Symantecの依頼を受け、米Applied Researchが実施したもの。2009年5月から6月にかけて行われ、全世界で1650社が回答。日本からは50社(官公庁も含む)が回答を寄せている。

今回発表された調査結果は、以下の写真のとおり(いずれもクリックで拡大)。

開発/テスト/実働環境の仮想化対応度合い

国内におけるアプリケーション/サーバ別の仮想化対応度合い

グローバルでのアプリケーション/サーバ別の仮想化対応度合い

仮想サーバ環境の保護手段

仮想サーバ環境を保護するために使っている技術

仮想サーバ環境のバックアップ手段

仮想サーバ環境のバックアップにおける課題

仮想環境のデータ/アプリケーションを保護するために使っている技術/手法

仮想システム上で定期バックアップをとっているデータの割合

仮想環境におけるデータ/アプリケーション保護の課題

DR計画が全仮想サーバの何パーセントに対応しているか

サーバ仮想化によりDR計画の見直しが必要になったと回答した企業の割合

仮想サーバのDR予行テストを実施した企業の割合

シマンテック グローバルコンサルティングサービス リードプリンシパル 小林啓宣氏

シマンテック グローバルコンサルティングサービス リードプリンシパルの小林啓宣氏は、以上の調査結果から読み取れる顕著な傾向として次の5項目を挙げた。

  • 仮想環境の実装は日本の方が積極的
  • 仮想環境のデータ保護への課題は日本の方が多い
  • 仮想環境のバックアップの第一の課題はリソース不足
  • 仮想サーバのDRPの対応は約6割
  • 仮想環境のDRテストが約7割と不十分

特に5つめのDRテストについて、約3割が実施していない点を問題視しており、DRという面では仮想化対応が十分に成されていないことを指摘した。

また、上の結果からは仮想化技術の活用が急速に進んでいることがうかがえるが、小林氏は、その背景として、「企業が抱えるデータ量が年々増加していく一方で、ITに対する強いコストダウン要請がある」と説明。この流れはDR環境にまで及んでおり、仮想化を活用してDR環境の運用コストを削減する試みが多数行われていると補足した。