矢野経済研究所は9月18日、世界の太陽電池市場に関する調査結果を発表した。同発表によると、2008年の世界の太陽電池生産量は6.5GWと前年から大きく成長したが、2009年世界の太陽電池生産量は8.3GWの見込みと足踏み状態で、太陽電池メーカー間の価格競争が激化しているという。
種類別に見ると、2008年の結晶Si太陽セルの生産量は5.6GWと推計されている。2008年秋以降、需要停滞に伴い高騰し続けていたポリシリコン価格が急落し、結晶Si太陽電池メーカー間の価格競争が激化している。2008年9月の時点まで3.5米ドル/W前後のレンジにあったセル価格は2009年春に2.0米ドル/Wを下回るレベルまで落ち込んでおり、結晶Si太陽電池メーカーの収益が悪化している。そのため、結晶Si太陽電池メーカーでは変換効率の向上、低コスト化に向けた取り組みをこれまで以上に強化している。
薄膜Si太陽電池はポリシリコンの需給が逼迫化した2007年頃を境に、Si材料の使用量の少なさから参入メーカーが増加し、生産量も2007年165MW、2008年357MWと順調に拡大していたが、2009年は500MW前後に生産量が止まる見込みだという。薄膜Si太陽電池が今後確実に市場に定着できるのかについては業界でも大きな関心事となっている。
CIGS太陽電池の生産量は2007年20MW、2008年50MWと推移した。2009年は参入企業の増加などにより180MW程度に拡大する見通しである。CIGS太陽電池は研究レベルで20%近い変換効率を実現しており、ポテンシャルを含めた変換効率の高さから結晶Si太陽電池と競争できる太陽電池として注目が高まっている。
色素増感太陽電池は塗布・印刷工程が中心のため、「製造コストが低い」、「室内など光量が少ない環境下でも安定して発電することができる」といったメリットから、次世代太陽電池の1つとして注目を集めている。2009年3月にはスイスの研究グループが12%を超える変換効率を達成するなど、小面積セルで高効率が進んでいる一方、耐久性や大型化の点では課題を残しているため、発電用としての実用化は2015年頃と予測されている。
同社では、現在の市場環境は世界的な景気後退の煽りを受けた一過性のものと言え、今後も地球温暖化対策を目的とした自然エネルギーへの転換の手段として、太陽光発電の導入が積極的に図られていく潮流にあり、市場も引き続き拡大していくと予測している。
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