アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国政府傘下の投資会社Advanced Technology Investment(ATIC)は、シンガポールのファウンドリChartered Semiconductor Manufacturingを買収することで、合意に達したことを明らかにした。買収額はChartered普通株1株あたり2.68シンガポールドルで、買収総額は56億シンガポールドル(約39億ドル)になる見通し。

同買収は、シンガポール会社法の50章第210条の、"すでに届け出債権総額の半分以上の債権者が和議案に同意していること"を通じてCharteredの株主の承認とシンガポールの高等裁判所の認可を経て、2009年第4四半期中に完了を予定している。すでにCharteredの62%の株式を保有するシンガポール系投資会社のTemasek Holdingsとは、合意に達しているとする。

ATICは、2009年3月にAMDとの合弁としてAMDから製造部門を分社、ファウンドリメーカー「GLOBALFOUNDRIES(GF)」として設立していた。今回のChartered買収によりATICは、Charteredの築いてきたカスタマとの関係や200mmおよび300mm対応Fabの生産能力と、GFの先端プロセス技術などを組み合わせることが可能となるとしている。なお、これまでChartered、GF(AMD時代)ともにIBMとプロセス技術の共同開発を行ってきているほか、28nm CMOSバルクプロセスでの共同開発を進めており、微細プロセスでの親和性は高いことが予想される。

なお、Chartered買収完了後は、GFと統合される計画で、新会社のCEOにはGFのCEOであるDoug Grose氏が就任する予定。また、CharteredのCEOであるChia Song Hwee氏は、新会社のCOOに就任する予定となっている。