EMCジャパン 執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏

EMCジャパンは8月31日、同社のミッドレンジストレージ「EMC CLARiX CX4」のVMware仮想化環境対応機能を強化したことを発表した。データセンターで稼働するストレージの管理をより効率化し、「ストレージだけでなく、物理的に別々に存在するデータセンターをも1つのデータセンターのように扱える"仮想化データセンター"の実現」(EMCジャパン 執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏)を推進していくという。

今回発表された新機能は、顧客企業のプライベートクラウド構築を支援するもの。「IT資産(リソース)の利用率アップと設定工数を100分の1にすることで運用効率化を図った」と同社シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーの雨堤政昭氏は説明する。具体的には

  1. 仮想化プラットフォーム「VMware vCenter」に統合されたミッドレンジストレージ管理ソフト「EMC Navisphere Manager」により管理工数が最大100分の1に削減
  2. 高速接続オプション「UltraFlex」(10Gb/秒のiSCSIおよび8Gb/秒のFC)により、最大で8倍多くの仮想マシンをストレージ1台に統合
  3. 「EMC RecoverPoint」「EMC Replication Manager」により、仮想マシンレベルでのデータ保護状態を可視化、イメージレベルの瞬時のリカバリ

EMCジャパン シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー 雨堤政昭氏

といったことが実現できるようになる。たとえば10台程度の物理サーバ+VMware ESXサーバ&100個のVMという中規模の仮想化環境の場合、「これまで200画面を表示する必要があったものが、2画面で仮想化→物理環境のマッピングレポートを作成できるようになる。また、すべてのデータを記録するのに数時間かかっていたところが、完了まで数秒で済む」(雨堤氏)という。

クラウドコンピューティングが普及するにつれ、データセンターの仮想化需要は今後、ますます高まってくると見られている。高橋氏は「物理サーバの統合率を上げようとすると、I/Oがボトルネックとなる。また、管理者がどの仮想マシン/物理マシンを管理しているのかが見えにくくなってしまう。そういったデータセンターが抱える課題に応えるための機能強化」と同製品を位置づけており、ミッドレンジストレージにおける仮想化の効率化を促進することで、顧客のビジネス継続とコスト削減を支援していきたいとしている。

価格はNavisphere Managerを実装したCLARiX CX4-120が366万円から。

「VMwareにいちばん近いストレージ」(雨堤氏)とEMCジャパンが自信をもつミッドレンジのCLARiXシリーズ。写真は最も低価格のCLARiX CX4-120