NVIDIAは、業界標準の線形代数ライブラリ「LAPACK」をCUDA対応GPUに最適化、実装した「CULA」のベータ版の提供を、EM Photonicsが開始したことを明らかにした。

LAPACKはすでに数値物理学、構造力学、電子設計オートメーションなどのさまざまな分野で活用されているが、CULAを用いることにより、NVIDIAのGPU「Tesla」の性能を引き出すことが可能となり、クアッドコアCPU1個での処理に比べて最大10倍の処理性能向上を実現することが可能になるとしている。

スーパーコンピュータとしていち早くGPUコンピューティングを搭載した東京工業大学のTSUBAMEで知られる松岡聡教授は、CULAのリリースに対し、「TSUBAMEに代表されるマルチコアCPUとメニーコアGPUによるハイブリッドシステムは、ハイパフォーマンス・コンピューティング・アーキテクチャの進化の方向性としては有望であり、LAPACKのCUDAへの最適化により、今後ハイブリッドなシステムの魅力が他のアーキテクチャとの対比で増すものと考える」とコメントしている。

なお、EM Photonicsでは「CULA Basic」、「CULA Premium」、「CULA Commercial」からなるCULA toolsという製品ファミリを提供している。