筑波大学計算科学研究センターは、同大のスーパーコンピュータ「T2K筑波システム」を用いて円周率を小数点以下2兆5769億8037万桁を計算し、世界記録としてギネスブックに申請したことを発表した。

これは、同大大学院システム情報工学研究科の高橋大介准教授らが同システムを用いて行ったもので、主計算を2009年4月9日7時37分32秒から同4月10日12時43分21秒までの29時間5分49秒で実施、アルゴリズムには"ガウス・ルジャンドルアルゴリズム"を採用。主記録容量は13.5TBとなった。

また、検証計算として、同4月27日9時35分36秒から同4月29日18時6分9秒までの44時間30分33秒で実施、アルゴリズムには"ボールウェインの4次の収束アルゴリズム"を採用し、主記録容量は12.9TBとなった。

この2つの異なるアルゴリズムに基づく2つのプログラムを使用して得られた結果である2兆5769億8037万7600桁(75×235桁)の値を比較したところ、2兆5769億8037万7524桁まで一致していたことが判明。これにより、記録の安全性と記憶のしやすさを考慮し、キリの良い2兆5769億8037万桁を記録として公表したとしている。

プログラムは高橋氏が作成。2つのプログラムともシングルジョブ実行環境で実行し、648台の計算ノード(1ノード当たりの浮動小数点演算理論最大実行性能は1472GFLOPS。全体では95.4TFLOPS)のうち、640台を使用する並列計算として処理が行われた。

なお、今回の計算では、同桁までの間、小数点以下1兆7815億1406万7534桁目から、ならびに小数点以下2兆3641億9038万6673桁目からの数列が"012345678901"となったほか、1兆1429億531万8634桁目からの数列が"314159265358"となるなどの結果が得られている。