米Googleは8月5日(現地時間)、同社によるOn2 Technologiesの買収で両社が合意したことを発表した。On2はストリーミングに適した動画圧縮技術を開発しており、VP3、VP4、VP5、VP6、VP7、VP8などのコーデックの設計で知られる。Googleのプロダクトマネージメント担当バイスプレジデントのSundar Pichai氏は「動画は今日のWeb体験の重要な要素であり、高品質な動画圧縮技術がWebプラットフォームに組み込まれるべきであると我々は考えている」とコメントしている。

合意案ではOn2の発行済み普通株を1株0.60ドルでGoogleのクラスA普通株と交換する。これは前日のOn2株の終値に57%のプレミアを上乗せした価格で、買収金額は総額で約1億650万ドルになる。今後On2株主および規制当局からの承認を経て、順調に進めば2009年第4四半期に手続きが完了する見通しだ。

On2は2001年にVP3をオープンソース化し、これが今日のOgg Theoraにつながっている。2004年にはMacromediaがVP6をFlash 8に採用した。幅広いデバイスで高品質なストリーミングを実現できるのが同社の動画圧縮技術の特長だ。最新のVP8について同社は「今日のどのようなフォーマットよりも帯域を節約でき、コンテンツによってはH.264よりも大幅に小さなデータで同様のビジュアル品質を提供する。いくつかのテストクリップの全体平均ではデータセーブが40%を超えている」と優れた効率性をアピールしている。

Googleが普及を推進するHTML5では、videoタグやaudioタグを通じて動画や音声などのリッチメディアのネイティブ処理が可能になる。その標準コーデックとしてOgg TheoraとOgg Vorbisが検討されてきたが、対応ハードウエアの欠如や品質などの点からAppleとGoogleが難色を示している。一方でMozillaやOperaは特許やライセンスの問題からH.264に反対しており、全てのベンダーの合意を得られるコーデックが見あたらないのが現状だ。このこう着状態はHTML 5のブレーキになりかねない。買収完了後にGoogleがOn2の技術をどのように利用するか明言していないが、このタイミングを考えるとHTML5の動画コーデック議論を解決に導くための一手とする可能性がある。