三洋電機は7月30日、2010年3月期(2009年度)第1四半期(4~6月)決算の概況を発表した。それによると、売上高は前年同期比24.7%減となる3,612億9,300万円、営業損益は前年同期49億9,700万円の黒字から89億7,600万円の損失へ、税引前純損益は同24億6,200万円の黒字から169億2,700万円の損失へとそれぞれ転落した。

部門別の業績は、TVなどのAV機器や白物家電を中心としたコンシューマ部門が前年同期比20.5%減となる1,416億3,000万円、業務用厨房器や冷蔵庫、大型エアコンなどを中心としたコマーシャル部門が同17.0%減の504億7,300万円、半導体や2次電池などが中心となるコンポーネント部門は同29.1%減の1,640億500万円となった。

営業損益はコンシューマ部門が前年同期の11億900万円の損失から14億9,500万円の利益へと黒字転換を果たした。これは、ウォルマートを中心に展開するTVの台数が伸びたことに加え、ETCの特需やデジタルスチルカメラの需要増、生活家電の好調などが要因となっている。

コマーシャル部門の営業損益は同49.3%増の3億600万円と黒字を維持した。大型エアコンが設備投資抑制の影響を受け市場が減速したものの、アジアおよび国内でのショーケースが堅調だったほか、メディコムも伸長したことが要因としている。

コンポーネント部門の営業損益は前年同期の138億800万円の黒字から一転、18億6,500万円の損失へと転落した。半導体関連が大幅減収となった前四半期比で持ち直しつつあり、6月単月では黒字化の見えたことで、第2四半期(7~9月)では四半期黒字も見えるとしているが、今期に関してはまだ赤字状態とする。また、リチウムイオン電池はノートPC向けに需要が回復し、数量は出荷されたものの、2~3割とする価格の下落が収益に大きく影響を与えてた結果となった。さらに太陽電池に関しては、国内では販売増となっているものの、欧州での減速が大きく、その落ち込みがカバーできないことから、黒字維持がやっとの状態としている。

主要製品別の売上高

同社では、第1四半期は、部品関連で底打ち感が出てきており、一定の回復感を感じているとしており、前四半期比で赤字幅も縮小しており、6月単月では黒字化も見えたとするほか、前四半期程度の赤字を見込んでいたが、各部門の増収および原価低減活動の進展に伴い、想定以上の赤字幅縮小ができたと今四半期の業績を評価している。

この結果を反映して、同社は第2四半期の連結業績を上方修正している。売上高は期初予測から400億円増額となる8,000億円、営業損益は期初予測の200億円の損失から50億円の損失に赤字幅が縮小しており、税引前純損益も同100億円の改善となる330億円の損失と赤字幅が縮小されており、主な修正理由として、コンシューマ部門、コンポーネント部門が予想を上回る回復を見せていることを挙げている。なお、通期に関しては下半期が不透明であるため、第2四半期終了時点でもう1度見直しを行うことを前提に期初予測を据え置くとしている。