日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2009年上半期(1月~6月)の訪日外客数と出国日本人数(いずれも6月推計値、4月暫定値)を発表した。

上半期の訪日外国人旅行者数は、前年同期から28.6%減の309万5,000人となり、2005年以前の水準まで落ち込んでいる。ビジット・ジャパン・キャンペーンの重点12市場からの訪日客はすべての市場で減少しており、特に韓国の48.5%減、台湾の37.1%減など、大手市場における大幅な減少が全体に影響を及ぼす結果となった。マイナス要因としては、世界的な景気低迷の影響による各市場の雇用環境悪化、主要通貨に対する円高の継続、5月中旬の日本での新型インフルエンザ感染の拡大や成田空港での航空機事故の欠航便の影響などが挙げられた。

一方、上半期の出国日本人数は、前年同期9.1%減の719万人。月別推移でも、2007年5月から2009年3月まで23カ月間連続で前年同月比減が続く結果となった。これは、日本人の海外旅行が自由化された1964年以来最長の期間を記録となる。4月には24カ月ぶりに前年同月比で増加に転じるも、5月には再度マイナスとなる18.3%減、6月には本年の月別で最大の下げ幅となる21.3%減に落ち込むなど、旅行業界にとって厳しい状況が続く。JNTOではこうした結果を招いたマイナス要因として、不況による個人消費の落ち込み、新型インフルエンザなどと考察している。