サイボウズは共有型Webメールソフト「メールワイズ4」を発表した。メールワイズは、サイボウズの社内向けに作られたシステムだが、2003年に製品として発売。今回で4回目のリリースになる。

メールワイズ4の画面

サイボウズ 代表取締役 社長 青野慶久氏

メールは一般的には、個人別に管理し、情報を共有する場合はメーリングリストなどを利用するのが一般的だが、メールワイズでは、1つのメールアドレスを複数の人間で共有するというコンセプトで作られている。たとえば、サポートに対する利用者からのメールを部署で共有し、誰が実際に対応しているのか、どの程度まで対応が終わっているかなどの情報を共有することができる。代表取締役 社長 青野慶久氏は、「メールワイズは、メールのグループウェア」と語る。

青野氏は「当初はリクルーティング、マーケティング分野での利用を想定したソフトだが、実際はネットショップのサポートでの利用が多い。メールワイズは、これまで注力してきた分野ではなかったが、もっといろいろなシステムで使えることをアピールして、ゆくゆくはサイボウズの目玉ソフトとして育成していきたい」語る。

青野社長は、2003年の発売からこれまで1500社への導入実績がある同ソフトを、2010年1月までに新規・既存合わせて1000件受注したいという目標を語った。

マーケティング部長 野水克也氏は、これまでは効率性や生産性を重視して開発してきたが、今回のバージョンアップでは、企業の顔としてメールを位置づけることを目指して開発が行われ、社員の対応力教育機能、発信前のチェック機能、セキュリティ対策機能などが追加された。

具体的には、担当者のほかに「作業者」の欄を設け、次に処理するべき担当者を明示できるようにしたほか、区切り線を追加した。区切り線とは、メール一覧画面に表示できる「目印」のようなもので、コメントを自由に設定できる。また、UTF-8メールの受信に対応した。

作業者と区切り線を追加

また、今回料金体系が改められ、従来はパッケージとしての販売で、サポートはオプションという扱いだったが、今後は利用ライセンスという位置づけになり、2年目以降も継続ライセンスが必須となった。

2年目以降も継続ライセンスが必須となった

価格は5ユーザー版が29万8000円、10ユーザー版が39万8000円などとなっている。ただ、今年の10月末まで20%の割引価格で提供するキャンペーンを実施する。その場合は、5ユーザー版が23万8400円、10ユーザー版は31万8400円となる。

2年目以降の継続ライセンスは、1年単位の場合5ユーザーが5万9,600円、10ユーザーが7万9,600円だ。

なお、旧バージョンの「メールワイズ 3」の追加ユーザーライセンスの購入は2011年7月まで、サポートは2012年7月までとなっている。

毎回サイボウズの発表会ではイベントが行われるが、今回のテーマは七夕。メールワイズがユーザー(おりひめ)と企業(ひこぼし)を結びつけるという想定