初日舞台挨拶に駆けつけたGLAYのHISASHIとTAKURO

『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』(牧野耕一監督)が、25日に公開初日を迎えた。東京・渋谷で行われた舞台挨拶に、出演者の片山勇氏、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦、サントラを手がけたGLAYのTAKUROとHISASHIが登壇した。

片山氏は、アーティストやモデルに絶大な人気を誇るレザーブランド「BACKLASH」の中心人物。本作では彼の仕事ぶりや、父との関係、ブランドに対する想いが描かれる。「この映画は(牧野監督や出演者らとの)友情で成り立っているようなもので、友情の結晶をぜひ見てください」と片山氏は挨拶した。

GLAYは本作の主題歌を提供するほか、TAKUROとHISASHIがユニット「AUDIO 2 AUDIO」として、全編のサウンドトラックを手がけた。片山氏とは10年来の付き合いというTAKUROは、出会いについて、「谷中さんに恵比寿の飲み屋に連れていってもらったら、そこにひときわ神様みたいな人がいて(笑)。自分の人生において一大事件になりました」。最近では、友人に片山氏の作品をプレゼントすることもあるそうで、「それだけ、片山さんは僕の人生の深いところに入ってきた存在。この作品に携われて光栄です」と述べた。

「監督と暮らしながら撮るという形で、最後の頃にはカメラの存在も全然意識せず、自然な自分をさらけ出せたと思います」と片山氏

谷中は、「洋服作りに肉薄した作品。『かっこ悪い部分も含めてかっこいい』を感じてもらった上で、かっこよさを吸収してほしい」

主題歌を書き下ろし、HISASHIとサントラを手がけたTAKURO。「片山さんの、いつ会ってもブレない佇まいや作品は参考になります」

HISASHIは、「片山さんと初めて会った時、深夜のクラブで暴れていたんですよ。ジャック・スパロウみたいな人だと思いました(笑)」

また、牧野監督も谷中の紹介で片山氏と出会ったそう。本作のきっかけを作るという点で"大役"をはたした谷中だが、「この映画では"チョイ役"ですから。『谷中チョイ役シリーズ』の1ページに載ると思います(笑)」と自嘲気味のコメントで観客を笑わせた。

本作について、「この映画を見たら、片山さんを絶対好きになると思います」(HISASHI)、「皮に対するこだわりや、父から片山さんへ、そして片山さんの息子さんへ、という家族3代の肖像を見てほしい」(TAKURO)とのメッセージが。そんな中、牧野監督からは、「個人的な見所としては、映画の中で谷中さんが完全に泥酔しているので、そこも注目してほしいですね(笑)」。これには谷中も苦笑いだった。

スカパラのロードムービー『SMILE 人が人を愛する旅』などで知られる牧野監督(右端)は、「いい意味で、悪い男たちしか出てない映画です」

『イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ』はシネマライズにて公開中。また、8月8日よりライズXにてロードショー。