シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 プロダクトマーケティング リードプロダクトマーケティングマネージャ 北瀬公彦氏

シトリックス・システムズ・ジャパンは7月23日、Citrix XenServer向け仮想化管理製品の新版「Citrix Essentials for XenServer 5.5」(以下、Citrix Essentials)を発表した。

新版で追加された主な機能としては、次の3つが挙げられる。

  • Workload Balancing
  • StorageLink
  • Lab Management

以下順に見ていこう。

Workload Balancing - 仮想マシンの移設等をアドバイス

Workload Balancingは、その名のとおり、ワークロードバランスを調整するための機能になる。

同機能を利用する際には、あらかじめ、リソース使用率やパフォーマンスの閾値/重要度をポリシーとして設定する。Citrix Essentialsは、それと照らし合わせるかたちでシステムを監視。閾値を超えた場合にはアラートがあげられるほか、運用データを蓄積してその内容を分析し、効率的でないと判断した場合には、仮想マシンの移設などを勧める仕組みだ。

Workload Balancingの設定ウィザード。ポリシーの設定では、まず、パフォーマンスと密度(少ない物理サーバでより多くの仮想サーバを実行する)のどちらを重視するか設定

続いて、CPU使用率や空きメモリ容量、ネットワークI/O・ディスクI/Oの閾値を設定

さらに、CPU使用率、空きメモリ容量、ネットワークI/O、ディスクI/Oそれぞれの重要度を決めれば設定完了

ワークロードバランスの管理画面。運用データが溜まり、問題が発見されれば「最適化の推奨項目」という欄に改善策が表示される

また、ハードウェア使用率やパフォーマンスの履歴をグラフ化して出力する機能も備えている。レポート画面では、気になる項目をクリックすれば詳細をドリルダウンできる。

Workload Balancingによって出力されるレポート

気になる部分をクリックするとドリルダウンされる

StorageLink - 仮想環境のストレージ管理を簡略化

StorageLinkは、仮想環境でのストレージ管理を簡略化する機能になる。仮想マシンにおける各種ストレージ製品の導入を数ステップで終えられるほか、クローニングやプロビジョニングといったストレージの機能を仮想マシンから実行することも可能。さまざまなストレージを一括管理できるといったメリットもある。

また、SMI-Sなどの標準的なインタフェースを採用しているうえ、DellやNetAppのストレージに関してはStorageLinkに対応したAPIが提供されており、製品固有の特別な機能も利用することが可能だという。

StorageLinkの設定の様子。最初にストレージのプロファイルを設定

そのプロファイルを仮想マシンに関連付けるだけで設定作業は終了

設定結果の確認画面

Citrix Essentialsのストレージ管理画面

Lab Management - 開発/テスト環境を楽々構築

Lab Managementは、開発/テスト環境の構築を簡略化するための機能。管理画面上で仮想マシンのテンプレートをドラッグ&ドロップするだけで必要な環境をそろえることができる。

もちろん本番環境のとの並存も可能で、北瀬氏は「運用コストの削減、既存リソースの効率化につがなる」と説明した。

Lab Managementの機能概要。仮想化テンプレートをコンフィギュレーションするかたちで開発/テスト環境を構築できる

国内ではEnterprise Editionを先行販売

今回発表されたCitrix Essentialsには、Enterpirse EditionとPlatinum Editionの2種類が用意されている。ただし、国内で販売が開始されるのはEnterpirse Editionのみ。上で紹介した3つの新機能のうち、Lab ManagementはPlatinum Editionの機能であり、今回は利用できないので注意が必要だ。

Enterpirse Editionの価格はサーバ1台あたり46万7500円(税抜き)。30日間限定の試用版も提供されている。なお、Platinum Editionについては日本語化作業が終了次第提供される予定になっている。

Enterpirse EditionとPlatinum Editionの違い。今回、国内販売が開始されるのはEnterpirse Editionのみ

また、米国では同等の機能をHyper-Vに対して提供する「Citrix Essentials for Hyper-V」という製品も提供されているが、こちらも準備が整い次第、国内販売を開始するという。