ヴイエムウェア、携帯電話向けソリューション「VMware MVP」を日本で公開

 

VMwareの日本法人であるヴイエムウェアは7月21日、都内で記者会見を開催し、同社のモバイル製品向けVMware仮想化プラットフォーム(VMware MVP:VMware Mobile Virtualization Platform)を日本で公開した。

VMwareのProduct Management and Market Development,Mobile MarketingのSrinivas Krishnamurti氏

同プラットフォームは、携帯端末の上に複数のOSを仮想的に動作させることで、PCやその他のコミュニケーション端末用のさまざまなアプリケーションの動作・運用を可能とし、プライベート端末とPC端末とのシームレスな連動を実現するもの。

説明にあたったVMwareのProduct Management and Market Development,Mobile MarketingのSrinivas Krishnamurti氏は、「日本は携帯電話分野において重要な市場である。携帯電話の革新を牽引し、世界最高峰の技術を武器とした携帯電話は他の地域の携帯電話に比べ、数世代先のものを実現している」(同)と指摘、「そうした日本の携帯電話市場において、モバイル仮想化の最初のデザインウィンのいくつかが日本から登場することを期待している」(同)とした。

では、なぜ同社が携帯電話向け仮想化プラットフォームの提供を検討したのか。これについて同氏は携帯電話について、「さまざまな機能が搭載されたことにより、単なる会話をするコミュニケーションの道具ではなく、"スモールコンピュータ"と化している」(同)と指摘、PCとしての使い方が可能となるのであれば、PCとして生じた課題も出てくるはずであり、それに仮想化で対応できるとする。

こうしたモバイル機器に向け、同社では3つのビジョンを掲げている。1つが既存のVMwareソリューションとの連携による「携帯電話から社内IT環境およびデータセンタを管理する」ということ。2つ目が携帯端末を次世代のシンクライアントとすること。3つ目が携帯電話自身の仮想化である。

携帯機器に向けたVMwareの3つの戦略

携帯電話から社内ITやデータセンタの管理については、現在、携帯電話で使用できる「VMware vCenter Mobile Access」のベータ版を開発しており、これによりデータセンタなどの様子をチェックできるようになるという。

「VMware vCenter Mobile Access」を活用することで、携帯電話からデータセンタなどの様子をチェックすることも可能となる

また、携帯電話の仮想化という意味では、現状、携帯電話は音楽再生やネット接続、電子マネー、クレジット、テレビなどの機能が搭載され、今後もさらに機能が増えていくことが考えられる。また、機種変更を行った時のデータの移行、移行後の互換性の問題なども存在する。

今後も携帯電話の機種ごとにより異なる環境が構築されているほか、さまざまな機能が付加価値として搭載されていく

さらに、携帯電話はよりリッチなOSが要求されるようになっているが、それぞれのOSがリッチになるにつれ、SymbianならSymbianに最適化したアプリケーションの開発など、各OSに特化したアプリケーションとなってしまう。

「こうした課題は、仮想化により解決できるが、それはコンシューマがアプリを使いまわせない、という問題だけでなく、半導体デバイスメーカーやソフトウェア開発メーカー側の問題も解決することができる」(同)とする。

多くの機能を実現するためにリッチなOSへ移行することでさまざまなコストの増大やアプリケーションのマッチング、開発期間の長期間化などの問題が発生する

つまり、同プラットフォームを用いることにより、「OSとアプリケーションは完全にハードウェアから独立する」(同)こととなり、ハードウェア上で異なった複数のソリューションの展開が可能となり、「故に多くの新しい可能性を生み出すことができるようになる」(同)とする。

仮想化によりOSとアプリはハードウェアとの直接的なつながりがなくなる

端的な例としては、個人用途の携帯電話の環境と、仕事用途での携帯電話の環境を1つの実機上で実現するというもの。CPUやメモリの上に、MVPのハイパーバイザを設置、その上で複数のOS、アプリケーションを動かすほか、ハイパーバイザ上に仮想ハードウェアを設置、その上でOSを動かすことも可能だ。

仮想化により、個人用途と仕事用途といった使い方も1台で可能に(なお、電話番号も2つとなるが、その方法としては「物理的にSIMを2枚挿す」「VoIP」「Google Voiceのようなサービスの活用」「SIMも仮想化」といった方法が考えられ、それぞれのキャリアの好みによって分かれるとしている)

また、仮想化とクラウドの組み合わせにより、「今後はネット上にアプリケーションもバックアップできるようになるほか、リカバリもネット経由でできるようになる」(同)とするほか、「JeOS(Just Enough OS)」と呼ばれる必要最低限の機能のみを搭載したOSをベースに、ユーザーが必要とする機能部分をネット上から持ってくることで、世界で1つの携帯電話を構築することもできるようになるコンセプトも打ち出している。

携帯電話の購入時には「JeOS」しか入っておらず、ユーザーのプロファイルに応じて固有環境の構築が可能といったことも可能となる

なお、MVPハイパーバイザは携帯機器向けに開発したもので、30KBのフットプリントでARMアーキテクチャ(ARMv4~ARMv7)に最適化されているほか、OSとしてAndroid、Symbian、Windows CEのほか、RTOSにも対応するという。同氏は、すでに同プラットフォームそのものは、キャリアや携帯電話メーカーに提供を開始しているとしており、具体的なスケジュールは明らかにしなかったものの「携帯技術で先進国となっている日本で、最初のデザインウィンが登場するのがとても有意義な結果になると思う」(同)としており、数カ月以内に、なんらかのアナウンスができるのでは、と示唆した。

デモとしてNOKIA N800にVMware MVPを搭載(モニタ左側が個人用にAndroidを起動したところ、右側が仕事用にWindwos CEを起動したところ)

画面はあくまで開発中のもので、実際に携帯電話に搭載されるときは、「ユーザーが仮想環境であるということを意識しない簡便なものとなるはず」(同)としており、2分割のこうした画面もなくなる可能性があるという

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