日産自動車とNECトーキンの合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ(Automotive Energy Supply:AESC)」は、同社座間事業所において、自動車向けリチウムイオン電池の試作を開始したことを発表した。

AESC製のリチウムイオン電池は、従来のニッケル水素電池などを比べ、約2倍のパワー密度を実現。ラミネート型セルによるコンパクトモジュールを組み合わせることで、乗用車の居住スペースを圧迫せず、燃費の向上にもつながるという。

また、NECグループが開発した熱安定性の高いマンガン系正極を使用することで、放熱性の高い積層構造を採用、実車走行試験で安全性を立証したほか、10万km以上を日産のハイブリッド車で走行する寿命を実現した。

なお、AESCでは逐次量産体制を確立し、年間生産能力は車両に換算すると1万3,000台から開始、2011年度までに6万5,000台分まで拡大する予定としており、米国、日本において2010年度に投入される日産の電気自動車および日産独自のハイブリッド車に適用される予定。また、AESCは、日産のほか、世界の自動車メーカーに対し、リチウムイオン電池の販売を行っていく予定としている。