日本IBM、設置から5日で使えるクラウド環境構築パッケージを発表

 

日本IBMは7月14日、クラウド・コンピューティング向けの製品・サービス群を「Smart Business」として統合すると発表。同時に企業での迅速なクラウド環境構築を実現する「IBM ClouBurst」の発売を発表した。

日本IBM 執行役員 未来価値創造事業担当 岩野和生氏

これまで日本IBMはエンタープライズ・プライベート・クラウドとパブリック・クラウドの両者を推進してきたが、今後はクラウド関連の製品・サービスが「Smart Business」として統合される。「Smart Business」は、サービス群の「Smart Business Service」と、製品群「Smart Business System」で構成される。

執行役員で未来価値創造事業担当の岩野和生氏は、クラウドのトレンドとして「パブリック・クラウドが盛り上がっているが、業務で使うにはガバナンスが利かないという問題がある。同一業界内では業務も類似しているため、将来的には業界クラウドが広がるだろう」と将来像を語った。

将来の企業におけるクラウド活用

そうした中、エンタープライズ・クラウドを構成する主要な要素としてあげられたのが、仮想化、標準化、自動化の3つだ。標準化とはサーバ構築等のITサービスを標準化し、サービスカタログとして蓄積することでユーザーの利便性とIT部門の管理性を向上させることを示す。また、自動化とはサービス申請から提供までを自動化することで、スピードアップと省力化をはかるものだ。「仮想化は追求されてきたが、標準化も重要。標準化を通じて自動的にディプロイすることで、コスト削減や利便性向上が実現できる」と岩野氏は語った。

エンタープライズ・クラウドを構成する主要な3つの要素

エンタープライズ・クラウドのアーキテクチャモデル

「Smart Business」のポートフォリオには、今後発表予定の製品についても位置づけが提示された。パブリック・クラウド、プライベート・クラウド、事前構成済のワークロード最適化システムと3つに区分されてはいるが、「パブリック・クラウドとプライベート・クラウドのハイブリッドという考え方は変わっていない」と従来路線からの転換があったわけではないことを岩野氏は強調した。

IBM Smart Businessクラウド・ポートフォリオ

新ブランドでの第1弾製品である「IBM CloudBurst」は、企業やデータセンターでのクラウド環境の迅速な構築を迅速に実現するパッケージだ。設置からわずか5日でユーザー企業に引き渡し可能な迅速さと、クラウド環境のためのオールインワンパッケージであることが特徴となっている。

日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏

専務執行役員 ソフトウェア事業担当の三浦浩氏は「クラウド導入事例の中には年間運用コストが84%削減できたケースもある。それらを紹介すると、それを今すぐ持ってきて欲しいと言われることが多い。設定等を含めて早く使いたいというお客様の第1のニーズに応えるのがCloudBurst」と語った。

「IBM CloudBurst」に含まれるのは、ラックやサーバ等のハードウェアと、仮想化や自動化を実現するソフトウェア群、利用開始に向けてのトレーニング等を含めたサービスだ。「特に『スキル・トランスファー』として運用方法のトレーニングを行うことで、弊社エンジニアを常駐させるのではなく、ユーザー企業自身がクラウド環境を使いこなせるように教育するのが特徴」だと三浦氏は語る。

業務をイメージ化してリボジトリに蓄積するイメージカタログには標準でSuSE Linuxの開発・テスト環境が用意されており、すぐに使うことができる。「Windowsの開発・テスト環境等、別のものを入れ込むのは約2日でできる。導入5日間のうちに処理を進めることも可能。さらに踏み込んでIaaS等を入れたい場合には別途サービスを提供する」と三浦氏。簡単なカスタマイズを含めても5日での稼働が可能となっている。

岩野氏は「IBM CloudBurst」について「単なる仮想化の箱ではない。日本IBMは仮想化の長い経験、自動化の実績を持っており、これらの実績を持った上でのパッケージ。今後お客様がどう業務を拡張するか等に対応する力がある、業務改革やコスト削減のベースとなるインフラ」と語っている。

IBM CloudBurst製品概要

IBM CloudBurstの特徴

「IBM CloudBurst」の出荷開始予定日は8月18日で、受注開始予定日は7月31日。ハードウェア、ソフトウェア、トレーニング等のサービスを含むトータルでの導入費用参考価格は2448万7500円からとなっている。販売ターゲットは開発・テスト環境を構築する企業や大規模データセンターを持つ企業が挙げられている。

「晴海のクラウドセンターに1年間で130社程度の来訪があり、クラウドへの需要の高さは感じている。まず味見的な使い方をしてもらうとして年内に15社程度の導入を見込んでおり、来年以降は加速度的に増えると考えている」と三浦氏は語った。

なお、今回リリースされるバージョンではコンソールは英語のみだが、利用するサービスでは日本語に対応する。また2009年中にバージョンアップが予定されており、新バージョンではコンソール画面も日本語対応となる予定だ。

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