NECは、グループの国内営業力強化のため、10月1日にグループ内のソリューション事業体制を再編すると発表した。

具体的には、売上高500億円程度を目安にして大企業と中堅企業を区分けし、グループ内で東名阪地区の中堅企業の営業をNECネクサソリューションズに統合する一方、NECネクサソリューションズをはじめ、NECトータルインテグレーションサービス(NTIS)、NECソフト、NECシステムテクノロジーなど、NECグループ各社に点在する大企業向けの営業をNECに集約する。また、東名阪以外の中堅企業については、NECの各支社に1本化する。

営業機能の統合

その結果、NECに現在3300名ほどいる営業ビジネスユニット要員は、再編後500名程度増加する一方、NECネクサソリューションズの営業人員は、現状の800名体制から600名強に縮小する見込みだ。

再編後の営業体制

これにより、市場ごとに営業機能を一元化し、担当する市場ごとに最適な事業体制を構築する狙いがある。

NEC 取締役 執行役員常務 岩波利光氏

NECで営業ビジネスユニットを統括する 取締役 執行役員常務 岩波利光氏は今回の再編の狙いを、「NECではこれまで右肩上がりで成長を遂げている際に会社を増やし、ミニNECをいくつもつくってきた。その結果、営業が重複して訪問する会社もあれば、訪問できていない会社もあった。そのため、どの会社にどのチームが営業を行っているかを見える化する必要があった」と語った。

再編の狙い

NECでは、現在の経常状況が回復に向かった際でも大企業の成長は1-2%の伸びに留まる一方、中堅向け市場は3%程度の伸びは確保できると予測しており、同社は今回の再編により、今後成長が見込まれる中堅市場向けのソリューション事業を強化し、グループ内の中堅市場向けの売上げを現在の2500億円程度から4500億円程度まで拡大したい狙いがある。

中堅市場への取り組み

NECでは今年の4月、ITとネットワークの融合ソリューションの提供を推進するため、これまで事業分野ごとに持っていた営業機能を統合して営業窓口をシングルウィンドウ化する「営業ビジネスユニット」を設置している。今回の再編は、4月の組織改正をグループ企業を含めた体制の強化に発展させたものだ。

今年の4月に行われた再編後のNECの営業ビジネスユニットの体制

NECネクサソリューションズは、今後は中堅市場向けソリューション・サービスインテグレータに特化し、NECの中堅向け基幹ERPパッケージ"EXPLANNERシリーズ"や、SaaS提供等サービス型事業を核にした事業活動を推進する。ERPについては、重点アカウント営業、セミナーやショールーム等でユーザーとのコンタクト機会を増やし、現在の600社の導入実績を倍の1200社にシェアを拡大したい考えだ。

なお、今回の再編にともない、NTISは、本年9月末までに営業・SI等の全機能をNECとNECネクサソリュ-ションズに移管する。