矢内理絵子初代女王にタイトル戦初出場となる岩根忍女流二段が挑戦する第2期マイナビ女子オープン(毎日コミュニケーションズ、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会主催)の五番勝負第2局が2日、大阪市内の料亭「芝苑」にて開催された。17時59分、125手までで先手の矢内が勝利し、防衛目前の2連勝を飾った。持ち時間は各3時間。残りは矢内・岩根両者ともに0分。

マイナビ女子オープンは2007年、将棋界としては15年ぶり5つ目のタイトル戦として創設された女流戦。優勝者には「女王」の称号が与えられ、優勝賞金 は女流棋戦では最高額の500万円が授与される。

先日6月18日に東京都内の将棋会館で行われた第1局では、矢内が156手で接戦を制し白星スタート。今回の第2局は、大阪で初の女流タイトル戦にあたり、大阪市出身の岩根にとっては地元でのタイトル戦への挑戦でもあった。矢内とっては、先日のインタビューで話していたように「アウェイな感じ」だったかもしれないが、堂々と第2局も勝ち取った。

終局後、矢内は「序盤で工夫してみましたが、作戦的にうまくいっていませんでした。ずっと苦しい展開で、勝ちを意識したのは最後です。第3局は後手番なので、序中盤の対策を立てて臨みたいと思います」、岩根は「少し優勢かと思っていましたが、終盤で"うっかり"があって、(形勢を)苦しくしてしまいました。第3局に向けては、後がないのでトーナメントだと思って頑張ります」とそれぞれコメントした。

第3局は7月15日、東京都内の将棋会館で開催される。詳細はマイナビ女子オープン公式サイトまで。

矢内女王(右)と岩根女流二段(左)の着物姿。藤色の着物に赤色から紺色へのグラデーションがかかった袴を合わせており、まさに冷静の中に情熱を秘めた矢内女王を表したかのよう。岩根女流二段のベージュの着物と、ピンクと紫の濃淡が華やかな袴の組み合わせもタイトル戦初出場の晴れ舞台に映えていた

会場となった料亭「芝苑」の外観。料亭としてもさることながら、将棋の対局場としても有名で、大阪市出身の岩根女流二段もタイトル戦の見学や食事で度々訪れているという

地元でのタイトル戦初勝利に注目が集まっていたが、残念ながら勝利を飾ることができなかった岩根女流二段

女王の貫禄を見せる2連勝で、防衛まであと1勝に迫った矢内女王

対局部屋の床の間には料亭「芝苑」より、対戦者二人にこんな心遣いも-。七夕にちなんだ7色の糸で"織姫対決"をイメージしているとのこと

立会人ら関係者や報道陣に囲まれながらも、矢内女王は静かに目を閉じる姿など、対局前から緊張感が漂っていた対局部屋