病気療養直前のSteve Jobs氏。誰の目にも明らかな痩身状態だった

米AppleのCEOで6カ月間の病気休暇をとっていたSteve Jobs氏が、6月29日(米国時間)からついに復帰を果たしたようだ。ただしAppleによれば、完全復活というわけではなく、しばらくは週に2、3日の勤務と自宅療養を繰り返しながらの職務復帰となるという。

Jobs氏が今後どの程度の仕事量をこなしていくのか、また、Jobs氏の病気療養中に経営の中心に立っていたCOOのTim Cook氏がどういった役割を担っていくのか、などについてはAppleは明言していない。

Jobs氏はホルモンバランスの異常から痩身状態に陥り、今年1月から病気休暇を取っていたが、最近になって、4月にテネシー州メンフィスの病院で肝臓移植手術を受けていたことが判明した。この手術に関してはAppleはいっさいのコメント/説明を控えており、同社は現在も一部の株主や投資家から「Jobs氏の健康状態を明らかにせよ」と迫られている。なお、同氏の手術を行った病院は「Jobs氏の術後経過はすこぶる順調」と発表している。

一方でウォールストリートは同氏の復帰を静かに迎えたようで、29日のNasdaq市場においては、Appleの株価はわずか0.2%上がっただけに過ぎなかった。アナリストや投資家の中には、「Jobs氏の復帰は歓迎すべきこと」としながらも、この6カ月のAppleの業績から「Steve JobsというアイコンがいなくてもAppleの経営面には大きな支障がない」と見ている向きも多い。

だがしかし、Appleにとっても、またAppleユーザにとってもビジョナリーである同氏の存在はとてつもなく大きい。復帰を喜ぶとともに、本当に業務に復帰しても問題ないほどの健康状態なのか、不安が残るのは否めない。Apple、またはJobs氏自身からの説明を求める声は、今後も強くなっていくものと思われる。