Infineon Technologiesの日本法人であるインフィニオンテクノロジーズジャパンは、Infineonと韓国LS Industrial Systemsが、白物家電向けモールド型パワーモジュールの開発、生産、販売に特化した合弁会社LS Power Semitechを設立したことを明らかにした。

合弁会社は、韓国ソウルの南約160kmに位置する天安市にあるLS Industrial Systemsの拠点に本社を置き、LS Industrial Systemsが54%を、Infineonが46%の株式をそれぞれ保有する。Infineonは合弁会社に対し、IPのライセンス、パワーモジュールファミリ「CIPOS(Control Integrated Power System)」に関する技術とプロセスのノウハウを提供するほか、既存のCIPOSバックエンド製造設備を独レーゲンスブルクから移転する。

CIPOSモジュールは、3相インバータパワー出力段とSOIゲートドライバ、ブートストラップダイオード、キャパシタ、周辺回路をコンパクトな絶縁パッケージに搭載したもの。Infineonの先端技術である「TRENCHSTOP IGBT」とエミッタ制御ダイオード技術を組み合わせることで、ディスクリートデバイスによる通常の設計と比較して、ディスクリートデバイス点数を23個削減することが可能となる。また、ジャンクションとケース間の熱抵抗(Rthj-case)を低く抑えており、結果として、競合モジュールよりも最大20%出力電流を多く取り出すことができるという。

同ファミリは、5Vまたは3.3V駆動の製品、故障検出機能の有無、3相IGBTインバータ、またはクローズドエミッタタイプ3相IGBTインバータ、スイッチド リラクタンス駆動向けの2相IGBTインバータ向けなど各種モジュール製品をラインナップしている。

両社は今後、マーケティング、国際販売、新製品開発についても密に協業していくとしており、LS Power Semitechは、天安の製造拠点で2010年1月までにCIPOSモジュールの量産を開始する予定としている。