宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月11日、2007年9月14日の打ち上げ以来、17カ月余りにわたり月の全球を観測した月周回衛星「かぐや」を、予定通り6月11日午前3時25分(日本時間)に、東経80.4度、南緯65.5度のGILLクレータ付近に制御落下させたことを発表した。

落下までの軌道情報(背景は「かぐや」レーザー高度計による地形図)(出所:JAXA)

JAXAでは、"かぐや"の落下位置が月面の日影部分であることから、衝突閃光が観測された可能性があると見込んでおり、国内外から撮影結果の提供を呼び掛けているという。

過去に撮影された落下地点の地形カメラ画像(星印が落下場所)(出所:JAXA)

また、唯一飛行を続けている子衛星(VRAD衛星)「おうな」も、観測データの収集は完了しているため、今後データの校正のために必要な観測を行った後、運用を完了する見込みとしている。

落下地点付近の「かぐや」レーザ高度計による地形図(出所:JAXA)

JAXAでは"かぐや"のミッション終了を記念して2009年7月18日、19日の2日間、東京・秋葉原においてパブリックイベント「Fly me to the Moon in AKIBA」を開催することを決定、「月探査プログラム特別講演会」やウルトラマンと「月」と「かぐや」について学ぶイベントなど、子供から大人まで家族で楽しめる内容を予定している。

なお、"かぐや"の観測データについては、11月1日からインターネットで公開を開始する予定となっている。