ルネサス テクノロジは、携帯機器のESDによって生じる電圧から回路の部品を保護する双方向ツェナダイオード「RKZ7.5TKP」「RKZ7.5TKL」を製品化したことを発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格はいずれも15円となっている。

新たに開発された双方向ツェナダイオード「RKZ7.5TKP」「RKZ7.5TKL」

2製品ともに、PN接合形成プロセス条件の最適化により、優れたESD効果を実現し、静電気放電イミュニティ試験におけるIEC61000-4-2、レベル4(接触放電)に対応している。

また、双方向ツェナダイオードであるため、通常のツェナダイオードのような電気的な特性が無く、順逆がツェナ特性のみのため、ツェナダイオード2個使用と等価となるほか、順・逆両方向のESDから回路を保護可能だ。このため、LEDのマトリクス回路などを使用する際の、逆方向からの回りこみ電流を1個で対応でき、一般的なツェナダイオード2個使用に対し、部品点数、実装面積の削減が図れることとなる。

RKZ7.5TKPは、パッケージ下面に電極を配置した下面電極構造「MP6(Micro Package6)」を採用することで、従来双方向ツェナダイオード比で70%の小型化となる0.6mm×0.3mm、薄さ0.3mm (typ.)を実現。下面電極端子には鉛フリーによる金めっきを、パッケージ・ボディにはハロゲンフリーレジンを採用し、生産、廃棄などの各段階における環境負荷を低減するように配慮されている。

一方のRKZ7.5TKLは、リード端子タイプで、1.0(ボディサイズ0.8)mm×0.6mmの「EFP(Extremely small Flat lead Package)」を採用しているが、こちらも端子の鉛フリーを実現しており、今後パッケージ・ボディのハロゲンフリー品を製品化予定としている。

なお、同社では、今後の展開として、双方向ツェナダイオードのツェナ電圧の低電圧品開発を進め、携帯機器の駆動電圧の低電圧化に対応したラインアップを強化していくとしているほか、特性のバラつき低減を積極的に推進し、使い勝手のよいダイオードの提供を目指すとしている。