NECは6月4日、同社が海洋研究開発機構に納入し、2009年3月1日より稼働を開始した新型「地球シミュレータシステム」が、LINPACKベンチマークの性能測定で122.4TFLOPSの性能と実行効率93.38%を達成したことを発表した。

海洋研究開発機構に納入された新型「地球シミュレータシステム」(写真提供:海洋研究開発機構)

同性能は、同ベンチマークの順位となるTop500(2008年11月発表版)の順位で、日本1位となり、世界でも16位にランクインするものであり、実行効率では世界1位の値となる。

新型「地球シミュレータシステム」は、NEC製ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-9/E」160ノードから構成され、最大理論性能131TFLOPSの大規模計算システム。同スーパーコンピュータは、1CPUあたりの性能として102.4GFLOPSを有し、大規模共有メモリ、CPU-メモリ間の高速データ転送、およびノード間を接続する高速ネットワークにより、実行効率の向上が図られている。

海洋研究開発機構では、その実行性能を活かし、地球温暖化、大気や海洋の汚染、エルニーニョ現象、集中豪雨や台風の移動などの複雑な現象をより正確かつ迅速に把握し、長期予測の実現に役立てるという。

なお、NECでは、今後も引き続き実行効率の高いベクトル型スーパーコンピュータの開発を継続強化するとともに、スカラ型スーパーコンピュータやPCクラスタシステムも含めた最適なシステムを顧客に提供していくとしている。