NECとNECエレクトロニクスは、LSIとパッケージ配線をつなぐ低抵抗かつ低寄生容量の多層配線技術(スーパーコネクト)を応用し、LSIの高速化を実現する技術を開発したことを明らかにした。

最上層のパッドをスーパーコネクト技術で積層した樹脂の上に形成したほか、LSI側の配線形状を工夫することで、LSI多層配線とパッド間の絶縁距離を広げ、高速信号伝送の妨げになるパッドの寄生容量を従来技術の約1/13に低減することに成功した。また、従来技術では困難であった高速信号の波形の立ち上がり/立ち下り特性も、スーパーコネクトにより改善できることを確認し、40Gbpsの高速信号回路を用いてその効果を実証したという。

絶縁樹脂を用いたプロセス最適化により、スーパーコネクトのプロセスは、すべてウェハ上で実現可能であり、従来のLSIの前工程との親和性も高く、後工程プロセスも従来どおり実施可能である。

今回のスーパーコネクト技術は、寄生容量低減のために、絶縁樹脂を2層積層して13μmとし、基本的な信頼性が確認されている。下層に感光性樹脂、上層に非感光性樹脂を用いることで、数μmを越す絶縁樹脂の積層においても、密着性やウェハ反りなどの課題を克服している。加えて、配線において、LSI側への微細な接続とパッケージ側への信頼性の高い接続の両立に成功したほか、従来は樹脂を積層した場合、高温高湿バイアス試験において絶縁性が目標値以下になっていたのに対し、積層樹脂により、目標値である1,000時間の正常動作をクリアし、長期信頼性が確認された。

なお、両社では、今回の成果は、スーパーコネクト技術を応用し、LSI側も配線形状を工夫することで、さらなる付加価値の実現へ見通しが得られたもので、今後は、同技術を用いたシステムLSIのさらなる性能向上を目指して、研究開発を進める予定としている。