映画『ディア・ドクター』の会見が大阪市内で行われ、今作が映画初主演となる笑福亭鶴瓶、原作・脚本も手がけた西川美和監督が作品をPRした。

『ディア・ドクター』主演の笑福亭鶴瓶(左)と西川美和監督

鶴瓶が扮するのは、山間の小さな村の医師・伊野。彼が謎の失踪を遂げた事件をきっかけに、ただ1人の医師として村民たちに慕われていた伊野がひた隠しにしてきた、思わぬ"嘘"が明らかになっていく。

伊野は、どこかとらえどころのない影を秘めながらも、人懐っこい笑顔と柔らかい物腰で村の人々の心をつかみ、絶大な信頼を得ている不思議な男。鶴瓶は「僕も37年間この仕事をやってきて、紅白の司会したり、歌舞伎座で落語もやったりする一方で、酔うてヘンなことしたりもするし(笑)、いろんな面があるんです。人間、1つの面だけで割り切れない。それが伊野という男」と役柄について語り、「そんな役を演じられたことがうれしかったし、楽しかったですね」とすっかり惚れ込んでいるようだった。

村に赴任した研修医を瑛太が、失踪事件のキーパーソンとなる未亡人を八千草薫が演じるほか、余貴美子、井川遥、香川照之ら演技派が脇を固める

さて、ロケが行われた茨城県常陸太田市でも、まるで伊野のごとく地元に溶け込んでいたという鶴瓶。西川監督によれば「何百枚も地元の方と一緒に写真を撮り、カウンセラーのように身の上話まで聞く(笑)」というサービスぶりで盛り上げ、地元の全面協力を得られたという。さらに、鶴瓶の役者ぶりについても「個性の強い方なので、鶴瓶師匠という人格が強く前に出てくるかと思ったら、演技はすごく柔らかいという印象。技術があって手数の多いベテラン俳優さんのようでした」と絶賛していた。

また会見では、国内外で数々の映画賞を受賞した西川監督の前作『ゆれる』(2006年)に主演したオダギリジョーに先日会ったという鶴瓶が、「"僕が『ディア・ドクター』に出ると思ってたのに…"とオダギリジョーが悔しがってましたよ(笑)」と西川監督に明かす一幕も。「これ、しっかり記事に書いといてくださいね!"鶴瓶がオダギリジョーを押しのけた"って!(笑)」と記者にアピールした鶴瓶は、「で、どうなん? 僕とオダギリジョーは?」とイケメンと自分の比較を西川監督に迫り、「"同型"です(笑)」と強引に答えさせて笑いを誘っていた。

(C)『Dear Doctor』製作委員会

なお、『ディア・ドクター』は6月27日より、東京 シネカノン有楽町1丁目、大阪 梅田ガーデンシネマ、なんばパークスシネマ、京都 京都シネマ、神戸 シネ・リーブル神戸ほか、全国にて公開される。