NVIDIAは、5月28日、広島にて開催された情報処理学会の主催シンポジウム「SACSIS (Symposium on Advanced Computing Systems and Infrastructures)」の併設企画として初の試みとして行っていた、NECおよびマイクロソフト、東京工業大学学術国際情報センターと合同で協賛して開催していたGPUを用いたプログラミングコンテスト「GPU チャレンジ2009」の受賞式を行ったことを発表した。

同コンテストは、2007年より開催されている「Cellスピードチャレンジ/Cell チャレンジ」と同様、「規定課題部門」と「自由課題部門」で構成されている。規定課題部門は、「文字列の編集距離計算」を東京工業大学学術国際情報センター(GSIC)に設置されたNVIDIA GPU搭載計算機を利用して計算の正確さとスピードを競うというもの。一方の自由課題部門は、各自設定した計算機、あるいは東工大の計算機を利用する形で、自由な発想でのGPUを用いたプログラミング技術・活用方法を競った。

受賞式のスピーチを行うNVIDIAのChief Scientist,Senior Vice President of ResearchのBill Dally氏(右下に見えるのが賞品のPCとTesla)(写真提供:エヌビディア)

開催期間は2009年1月21日から3月30日までで、参加者は規定課題部門が43チーム86名、自由課題部門は16チーム33名であった。

規程課題部門の第1位に輝いたのは、東京大学の富山歩氏で、受賞タイトルは「CUDAによる編集距離計算の高速化」、第2位は長崎大学の土肥慶亮氏、大屋智氏、林田宗大氏の3人で、タイトルは「文字列の編集距離計算におけるGPUを用いた高速化手法の一検討」、そして第3位は、東京大学の倉田成己氏と樋口和英氏の2人で、タイトルは「CUDAによるO(ND)アルゴリズムの並列化」であった。

賞品を授与される規程課題部門第1位の東京大学の富山歩氏(写真提供:エヌビディア)

また、自由課題部門の最優秀賞に輝いたのは、丹羽雅志氏、荒井大輔氏、岡田直久氏、増田信之氏、伊藤知義氏 (千葉大学)、白木厚司氏(木更津高等専門学校)のチームで、受賞タイトルは「GPUによる計算機合成ホログラムのソフトウェア開発」であった。このほか、奨励賞として、Mikael Onsjo氏ならびに青野良範氏 (東京工業大学)の「Online Approximate String Matching with CUDA」、西川尚紀氏 (防衛大学校)の「CUDAを用いたAESアルゴリズムCUDA AESの開発と評価」が選出された。

Bill Dally氏と受賞者達の集合写真(写真提供:エヌビディア)

なお、規定課題部門1位であった富山歩氏には、NVIDIA Tesla C1060およびQuadro FX1800を搭載した、CoolerMaster製のNVIDIAカスタマイズケースシステム1台が、自由課題部門1位にはNVIDIA Tesla C1060カード1台がそれぞれ賞品として授与された。