伊藤忠商事は29日、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とともに、MVNO(仮想移動体通信事業者)の支援サービス「MVNE」を提供するインフォニックスと資本業務提携をし、MVNEとMVNO分野に本格的に進出すると発表した。

今回の業務提携では、伊藤忠商事がインフォニックスの普通株式をサイボウズから取得して筆頭株主となるほか、新株(優先株式)も引き受け、インフォニックスを持分法適用会社とする。今回の株式取得を契機に、伊藤忠商事ではグループ会社を通じ、インフォニックスに対してマーケティングやシステム、物流など、多方面において支援を実施する。

伊藤忠商事では、「移動体通信業界が今後、垂直統合型から水平分離型へと転換していくことが予想される中、水平分離型のビジネスモデルの一つとして成長が期待される携帯電話MVNO分野において、先んじてポジションを築くことを目指す」としている。

一方CTCは、2008年11月から「MVNE(Mobile Virtual Network Enabler、仮想移動体通信支援業者)」としてMVNOの支援事業を展開。今回の提携により、インフォニックスがMVNO事業者をサポートする際にシステム面でバックアップを行う。また、MVNO事業者が自社所有するシステムの構築・運用を支援することにより、同社との連携を図るほか、「共同で提案活動や営業面での協力も行っていく予定」としている。

インフォニックスでは、3~5年後には15~20案件、100~200万回線の加入を見込み、400~900億円の売上を計画している。