Microsoftの新たなサーチブランド「Bing」

米Microsoftは5月28日夕方(現地時間)、同社CEOのSteve Ballmer氏が新サービス『Bing』(ビング)を正式発表したことを受け、報道関係者やアナリストらを対象にした電話会議を開催した。Bingが登場した背景のほか、日本を含む北米外の地域での展開戦略について説明している。

既報のように、Bingは同社が提供していたLive Searchを再ブランディングしたサービスであり、"Decision Engine"と呼ばれる課題や意志決定に関わる検索作業をより快適にすることを目的とした「現在の検索技術の先を目指すもの」となる。Explore Paneによる豊富な検索ツールなどナビゲーションの強化や、より少ないクリック数で目的のリンクに到達できる検索表示システムの充実などが図られているほか、「ショッピング」「旅行」「地域情報」「医療」の4つの作業に特化した検索システムが用意されていることが特徴だ。記者会見に登場した米Microsoftオンラインサービス部門R&D担当SVPのSatya Nadella氏は「多くのユーザーが検索システムを日々利用しているにも関わらず、すべが結果に満足しているわけではない。Bingでは検索クエリーと特定のタスクをリンクさせ、より満足度の高い結果を導き出す」と述べており、GoogleやYahoo!などのライバルが提供している従来型のWeb検索との差別化を図っていると説明する。

「Bing」での検索例(写真は日本向け説明会のもの・29日開催)

検索結果の左ペイン(Eplorer Pane)には、検索ワードに関連するタグなどのナビゲーションが表示される。右ペインはリスティング広告枠となる。なお、検索時にはキーワードを補完するワード候補も表示するなど、ユーザの入力処理をサポート

商品を検索した場合、レビューなども提示。検索対象に応じて結果のタブ切り替え表示も使われるなど、結果画面だけで多くの情報を収集できるようになった

イチローで検索した例。最近の試合成績がトップに表示されるなど、ユーザの検索効率を高める工夫を盛り込んだ

こうしたBingのもう1つの大きな特徴が世界戦略における地域展開だ。Bingは最初、6月3日に米国とカナダの2カ国を対象にスタートすることになるが、その後ローカライズを進め、順次対象地域を増やしていく。このときに力を発揮するのがサーチテクノロジーセンター(STC)で、Microsoftでは地域ごとにSTCを設立して、その国々で必要な検索技術の開発を進める。米Yahoo!の検索広告技術部門トップから転身したことで話題になった、米Microsoftオンラインサービス部門担当プレジデントのQi Lu氏は「国ごとに異なるニーズが存在する。言語ごとに必要とされる処理技術は異なり、STCへの投資で"検索をより意味のあるもの"にすることが狙いだ」と説明している。STCは当初、中国、日本、インドで設立され、順次世界展開を進めていく計画だ。アジア以外の地域ではロシアとドイツが展開対象として挙げられている。

Bingのサービスインにより、MicrosoftのWeb検索はBingブランドに集約されることになる。6月以降、Live.comへのアクセスはBing.comへとリダイレクトされるようになるが、Microsoftによれば「Windows Liveの各種機能はそのまま残る」ということで、「検索はBing、オンラインサービスはLive」と2つのブランドが併存するようだ。また当初は米国とカナダに限定されるものの、各種マーケティングキャンペーンや広告システムもLive.comからそのままBingへと引き継がれることになる。

なお、Microsoftは6月3日のBingサービス開始に合わせ、本社のある米ワシントン州シアトルにて製品ローンチイベントを予定している。こちらの様子についてもマイコミジャーナルで追ってレポートしていく予定だ。