大日本印刷(DNP)は5月28日、半導体パッケージの小型化および低コスト化が可能な、次世代リードフレームを開発したことを明らかにした。

同製品はLand Grid Array(LGA)対応のリードフレームで、リードフレーム基材をハーフエッチングして延伸、半導体チップのパッドとインナーリードの間隔を従来品の2.5mmから0.8mmに狭めることで、ボンディング時の金ワイヤ使用量を1/3に減少させることに成功した。

また、ランドの配列をQFNパッケージの1列から2列に形状を変えることにより、縦方向を従来品比40%、横方向を同40%、高さ方向を同20%縮小することに成功し、トータルの容積比で約1/4となる縮小を実現した。これまでは、エッチング加工のデザイン上の理由からランドの配列は1列となっていたが、ハーフエッチングをコントロールする技術を改善することで2列のランド配列を実現した。

QFNパッケージのX線写真(40ピン 6mm角)

新開発のLGAパッケージX線写真(116ピン 10mm角)

これにより、QFNパッケージより多くの端子を持つ高性能な半導体に対応した、安価なLGA用リードフレームが実現可能となり、同社では2009年6月より同リードフレームの生産を開始、2010年度で約5億円の売り上げを目指すとしている。

左が従来のLGAパッケージ、右が新たに開発されたLGAパッケージ

なお、この売上ベースで、今回のリードフレーム使用による半導体メーカーの金ワイヤ使用量削減によるコストダウン効果は、2010年度の1年間で約10億円程度が見込まれる。

新開発品のリードフレーム外観