富士通は28日、携帯電話のデザイン強化施策の一環として、広く一般から携帯電話のデザインを募集する「FUJITSU モバイルフォンデザインアワード2009」を開催すると発表した。同日、都内で開催発表会が行われ、富士通 モバイルフォン事業部長の佐相秀行氏らが出席。コンテストの概要について説明した。

発表会には、富士通 モバイルフォン事業本部長の佐相秀幸氏、富士通デザイン 代表取締役社長の加藤公敬氏のほか、FUJITSU モバイルフォンデザインアワード2009の審査委員も出席した。後列左から、日経デザイン編集長の下川一哉氏、富士通デザインの加藤公敬氏、富士通の佐相秀幸氏、アートディレクターの水野学氏。前列左から、プロダクトデザイナーの喜多俊之氏、DESIGN ASSOCIATION 会長の浅葉克己氏

同アワードは、富士通のデザイン開発力強化を目的とした、携帯電話のデザインコンテスト。広く一般から携帯電話のデザインを募集することで、富士通のデザイン開発力の強化、有望なデザイナーの発掘、ブランドイメージの向上を狙う。運営は、東京デザイナーズウィークなどを主催するDESIGN ASSOCIATIONとコラボレーションして行う。

募集するデザインは、2011年の商品化を視野に入れたデザインを募集する「リアル部門」と、自由な発想で近未来のデザインを募集する「ドリーム部門」の2部門。作品の募集期間は、6月5日から7月31日まで。グランプリ作品には賞金200万円、準グランプリ(各部門1作品)には50万円、審査員特別賞(各1名6作品)には10万円を授与する。詳細は以下の通りだ。

募集テーマ 採用条件
リアル部門 2011年の携帯電話 キーボードがあること、片手で操作可能、3インチ以上の液晶ディスプレイを活用
ドリーム部門 未来の携帯電話 富士通を刺激するフューチャーデザイン。夢のある未来の携帯電話をデザイン。斬新なテクノロジーを駆使したデザインや、新しい使い方を創造するインタフェースデザインなど
応募対象 国内のデザイナー(プロ・アマ・学生問わず)
応募方法 公式サイト「FUJITSU モバイルフォンデザインアワード2009」の応募フォームからエントリー
必要書類 プレゼンボードデータ A3サイズ(最大10MBのjpgまたはpdfファイル)。三面図・概略寸法を記載
選定方法 1次審査、2次審査、および最終審査を経て各賞を決定

審査員を勤めるのは、プロダクトデザイナーの喜多俊之氏、アートディレクターでDESIGN ASSOCIATION会長も務める浅葉克己氏、アートディレクターの水野学氏、日経デザイン編集長の下川一哉氏。優秀作品は、2009年10月に開催されるCEATEC JAPAN2009の富士通ブースに展示される。なお、受賞デザインは実際に商品化される可能性もあるという。

富士通の佐相秀幸氏

開催発表会では佐相氏が日本の携帯市場について言及。景気の動向や販売方式の変更により、落ち込んでいるが「まだまだ大きな市場。サービスなどを含めまだまま伸び白がある」との見解をしめした。こういった状況のなか、携帯電話のデザインを購入理由に挙げるユーザーが増えていると説明する。

デザインへの関心が高まるなか富士通では、2009年度のデザイン開発強化施策として、「社内デザインの強化」「コラボレーションによるデザイン強化」「広く社外からアイディアを収集」の3点を掲げている。これらの施策を実践し、「デザイントレンドリーダーを目指す」(佐相氏)という。今回実施する、デザインコンテストも施策のひとつで、佐相氏は「今回、広く社外からデザインを募集して、デザインの懐を広げていきたい」と抱負を語った。

富士通の2009年度のデザイン開発強化施策

トレンドとなるサービスを見据え、デザイン開発に注力

富士通は、エンドユーザーを起点とした「最先端志向」「ライフスタイル重視」「使いやすさ重視」の3つのアプローチでデザイン開発に取り組んでいる。これらの取り組みを通じて、「使いやすさにこだわったケータイ」「上質で洗練されたケータイ」「特徴のあるケータイ」の開発を目指す

なお同アワードでは特別企画として、著名クリエイターとのコラボ企画「プロジェクトF」も予定されている。このコラボ企画では、異業種のクリエイター同士がコラボレーションして「魅力的な未来の携帯電話」を提案するという。現在、インダストリアルデザイナーの山中俊治氏がプロダクトデザイン、ITアーティストの猪子寿之氏がコンテンツを担当することが決定している。

コンセププト担当者は後日発表される