グーグルは13日、Googleマップの「ストリートビュー」機能に関して一部サービス内容の変更を発表した。かねてより指摘されていたプライバシー問題に配慮したもので、ナンバープレートや表札のぼかし処理、問い合わせ専用ダイヤルなどの設置を行なう。

Googleストリートビューは、Googleマップの地図情報と実際の現地撮影データを連動させたサービス。2008年8月に開始され、札幌/ 小樽/ 函館/ 仙台/ 東京/ 千葉/ さいたま/ 横浜/ 川崎/ 鎌倉/ 大阪/ 京都の12都市をカバー。カメラ搭載の専用車両で公道から見える範囲を撮影し、そのデータを地図とマッチングさせて公開している。Web APIも提供され、利便性が評価される一方、人物やナンバープレート、表札などのプライバシーに関わる情報が写っていることから、同社には多くの改善要望が寄せられていた。今回そうしたユーザの声を反映し、サービス内容の変更を実施した。変更内容は以下のとおり。

  • 公開画像も含めナンバープレートの自動ぼかし処理
    要望の多かったナンバープレートの自動認識によるぼかし処理を実施。自動認識による不鮮明化技術は完全ではないため、漏れがある場合は「問題の報告」リンクより申請し、手動処理を待つ。
  • 撮影カメラの高さを40cm下げ、公開済みエリアを含め再撮影
    撮影カメラの高さ(地面から)を245cmから205cmに下げて再撮影を実施。「塀の内側まで写っている」といった日本の住宅事情などに配慮したもので、数カ月以内の実施を予定している。
  • Googleストリートビュー専用ダイヤルの設置
    電話でも画像の公開停止申請を受け付けるようにする(13日より実施)。問い合わせ先は次のとおり。【ナビダイヤル】0570-01-0041(携帯電話/ PHS/ 海外からは03-6415-5900) 【受付時間】9:00~12:00/ 13:00~18:00(月~金)。
  • 表札のぼかし処理のリクエストに対応(手動処理)
    自宅の表札のぼかし処理について申請を受け付ける。当該画像の部分で「問題を報告」をクリックし、表札の不鮮明化処理に関する項目を選択して申請する。自宅を申請した場合のみの対応となる。

ナンバープレートの不鮮明化処理

カメラ高さの変更および再撮影

ストリートビュー専用ダイヤルの設置

表札のぼかし処理のリクエスト

以上は日本独自の対応となる。なお、同社プロダクトマネージャー 河合敬一氏によると、画像内情報の自動認識精度は、撮影に使われたカメラ性能にも左右されるという。早期より撮影が行なわれた米国および日本では、解像度の低いカメラが使用された。ナンバープレートや人物の顔を自動認識するには高解像度画像のほうが適していることから、日本の低解像度データでは認識精度が落ちる。同社は今後、カメラ高を変更して再撮影を行なうが、その際は高解像度カメラを使用することで自動認識精度の向上が期待できるとした。

また、すでに自宅などを削除申請、削除済みのエリアは再撮影後もデータは削除される。ただし、人物については、再撮影時にも同様に写る可能性が低いことから、旧データにおける削除情報は維持されない。再撮影データの反映時期は未定。

Googleストリートビューのデータ撮影に使用される専用車。写真(左)は新たにカメラの高さを以前より40cm低くしたもの、写真(右)は従来の車両