チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(以下、チェック・ポイント)は5月12日、ノキアのセキュリティ・アプライアンス事業買収に伴い刷新された同社アプライアンス製品の新ポートフォリオ、および今後の事業戦略について発表した。

チェック・ポイント 代表取締役社長 杉山隆弘氏

ノキアのセキュリティ・アプライアンス事業を巡っては、イスラエルに本社を置くCheck Point Software Technologiesが、昨年12月24日に買収契約書に調印したことを発表。今年4月13日に買収を完了していた。この買収により、ワールドワイドで450人が移籍、国内でも8人がチェック・ポイントに引き継がれている。

チェック・ポイント 代表取締役社長の杉山隆弘氏は、「ノキアとは12年前から提携関係にあり、同社のセキュリティアプライアンスには販売開始当初からチェック・ポイントのソフトウェアがOEM提供されていた」と説明。そのうえで、事業統合が、社員の移籍のみならず、製品開発や、顧客/パートナーのサポート体制構築の面でも円滑に進んでいることをアピールした。

今回の買収に伴い、これまで「ノキア IP アプライアンス」シリーズとして提供されていたアプライアンスが「チェック・ポイント IP アプライアンス」シリーズへと改称される。チェック・ポイントでは、従来から提供してきた、中小規模ビジネス向けセキュリティ・アプライアンス群「UTM-1」や、ハイエンド向けセキュリティ・アプライアンス群「Power-1」、仮想化対応セキュリティ・アプライアンス群「VSX-1」と併せて販売/サポートを推進していく方針だ。

チェック・ポイント IP アプライアンスの特徴

チェック・ポイント製セキュリティ・アプライアンスのポートフォリオ

チェック・ポイント セキュリティ・コンサルティング本部 安藤正之氏

また、今後は製品の統合も進めていく考えで、IPアプライアンスにチェック・ポイントのソフトウェア・ブレードを導入するほか、ハードウェアに強みを持ちパフォーマンスやルータ機能に優れるIPアプライアンス技術と、実績あるソフトウェアをベースにさまざまなセキュリティ機能を提供するチェック・ポイントの技術の長所を活かして新たなアプライアンスの開発も進めていく。加えて、チェック・ポイント製OS「SPLAT」とノキア製OS「IPSO」を統合した新たなOSの開発や、運用管理やプロビジョニング・ソフトウェアの統合も計画されている。

OSおよび運用管理/プロビジョニング・ソフトウェアの統合で重視されているポイント(クリックで拡大)

チェック・ポイント セキュリティ・コンサルティング本部の安藤正之氏は、今回の事業統合により、他社製品よりもセットアップが容易で、運用現場で求められる機能を網羅したアプライアンスを提供できるようになったと語り、新体制の優位性を強調した。