東芝は5月8日、2008年度(2008年4月~2009年3月)の決算概要を発表した。売上高は前年度比13.2%減となる6兆6,545億円、営業損益は前年度2464億円の利益から2502億円の損失へ、純利益も同1274億円の利益から3436億円の損失へとそれぞれ赤字に転落した。
今回の決算内容について、同社代表執行役専務の村岡富美雄氏は「世界的な景気の後退による需要の減退および売価ダウンにより、電子デバイス、デジタルプロダクツ、家庭電器が大幅に悪化。結果として減収減益となり、2001年度以来7年ぶりの赤字を計上することとなった」と説明する。
なお、半導体ならびに液晶が主力の電子デバイスの業績は売上高が同23.8%減の1兆3,249億円、営業損益が前年の741億円の利益から3,232億円の損失へと赤字転落。一方のテレビやHDD、携帯電話といったデジタルプロダクツも売上高は同16.4%減の2兆4,675億円、営業損益は前年の150億円の利益から142億円の損失へと転落している。
このほか、社会インフラもわずかながら減収減益となっており、全セグメントで減収減益を記録。「半導体やテレビ、DVDレコーダ、HDDといった製品の売価ダウンが激しく1兆7,350億円のマイナス要因となった。これに為替差損で700億円、研究費などの費用で340億円がかかり、調達コストダウンによる1兆300億円の改善や半導体のプロセス微細化によるコスト効果2,200億円、増収924億円などのプラス要因を足し合わせても、結果的に営業損益は2,502億円の損失になってしまった」(村岡氏)という。
ただし、テレビ事業単体では利益改善が進み年間での黒字化を達成したほか、社会インフラでは電力・産業システムが引き続き高い水準を維持し営業利益で1,132億円を計上するなど、明るい部分もあるとしている。
各セグメントを細かく見ると、デジタルプロダクツでは携帯電話、PC、流通・事務機器、テレビが景気後退の影響を受け減収になったほか、HDD、携帯電話、PC、流通・事務機器の減益が響き赤字になったとする。特にPCは、売価ダウンのほか、ネットブックの躍進による低価格化、ユーロ安の三重苦の影響により減収となったが、下期に一層の価格下落およびユーロ安が進んだことで営業損益は同267億円減の145億円にとどまったとする。
一方の電子デバイスではメモリ、システムLSI、ディスクリート、液晶のいずれも不調で全体として大幅な減収減益となった。特に半導体は第3四半期以降1,000億円と超す損失を2四半期連続で計上。特にデジタル家電や自動車関連でのシステムLSIでの販売不振やメモリの価格下落などの影響が強く、「2008年度のNAND型フラッシュメモリのビット成長率は2.3~2.4倍程度を達成したものの、価格下落や円高の影響を受け大幅な減収となった」(村岡氏)としており、半導体事業としては2001年以来となる赤字計上になったとする。
また、家庭電器では「白物、バックライト、空調などが減収要因」(同)としており、いずれの製品も不振となった結果、営業損失を計上したとする。
さらに、比較的堅調だった社会インフラ部門も、医用システムなどが減収となっており「売上高は全体として横ばい」(同)であり、「社会システム、ソリューションなどの減益により全体として減益となった」(同)とする。
なお、これにより営業キャッシュフローが160億円の赤字、投資キャッシュフローが3,353億円の赤字となったほか、自己資本比率は2008年3月の17.2%から8.2%へと減少。D/Eレシオも「1978年以来となる400%超え」(同)となっている。
2009年度の見通しについては、「急速な景気回復は期待できない」(同)としており、各部門合計で3,000億円の固定費削減に向けた取り組みを進めていくほか、電子デバイスではさらにプロセスの微細化などによる1,000億円の損益改善を目指すことで、連結売り上げを同2.2%増の6兆8,000億円、営業損益を3,502億円改善の1,000億円の黒字を目指すとする。
なお、NAND型フラッシュメモリの動向については、「東芝のビット成長率は従来市場のほか、組み込みやSSD分野などに進出していくことにより2.1~2.2倍程度を見込んでいる。ただし、市場全体で見た場合の充足率は7-9月期でようやく100%に下がり、以降100%を切る程度になると見る」(同)としており、2009年後半までは供給の引き締めが必要とした。
そのため、6月までは減産を続けるとしており、その後も市場環境を見て生産調整を行うか否かを決定していくとする一方、微細化投資を進め、2009年3月末で90%のNAND型フラッシュメモリを43nmに移行したのに続き、同7月には予定通り32nm品のサンプル出荷を行いたいとの意向を明らかにした。
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