役作りのため7キロも減量した玉木宏。激ヤセ前の写真はこちら

手塚治虫作品の中でも「禁断の傑作」と評される『MW -ムウ-』。手塚氏の生誕80周年を機に実写映画化され、28日に東京・新宿で完成披露試写会が開催された。上映前には玉木宏、山田孝之、石橋凌、山本裕典、山下リオが登壇し、舞台挨拶を行った。

玉木演じる結城美智雄は16年前に起きたある事件の生存者で、冷徹に関係者を裁いていく。悪役への挑戦は自身初とのことだが、「数年前は"いい人"を演じることが多く、それとは真逆の悪役に挑戦したいと思っていて。悪役だと自分のイメージ力が問われますよね。だからこそ挑戦したいジャンルだし、僕がずっとやりたかった役どころでもあります」と玉木。撮影にあたっては体重を7kg落としたそうで、「原作を読み、結城に対して繊細でシャープでスマートなイメージを持ちました。だから食事制限などをして、自分もそう見えるようにしました」。ちなみに食事制限の方法については、「ずっと米を食べなかったんですよ」と明かした。

16年前の事件のもう1人の生存者で、神父の賀来裕太郎を演じた山田は、開口一番、「山田でーす! 今日も元気一杯、笑顔満点です(笑)」と挨拶し、観客の笑いを誘う。撮影を振り返って、「賀来は結城に振り回される立場なので、自分のやりたいことをやっている結城の横で、フラストレーションがすごく溜まりました。ロケ地のタイはくそ暑かったし……」と話したが、そのままコメントが途切れてしまい、「終わりなの!?」と玉木に突っ込まれてしまう一幕もあった。

この日の山田は終始ハイテンション。写真撮影時も、人差し指を立ててポーズを決めたり、わざと玉木の陰に隠れたりして、観客や報道陣の笑いを誘っていた

本作では、結城と賀来がそれぞれのやり方で世界を変えようとする。これにちなみ、MCの坂上みきからキャストに向けて、「世界を変えるために必要なものは?」とのお題が。

賀来(山田)を慕う少女を演じた山下リオ。「世界を変えるには、まずは心からじゃないかなと思いました」

山本裕典は、16年前の事件を追う駆け出しの新聞記者役。「エンターテインメントで癒されて、変なことを考えないようになってくれれば」と語った

結城(玉木)を疑う刑事役の石橋凌は、「古い歌だけど、この曲の歌詞には、世界を変えるための答えが集約されていると思います」

玉木が、「違う映画の宣伝みたいだけど……」と言いつつ、「相棒」との答えを披露すると、会場は再び爆笑に包まれた。

他の4人とは明らかにトーンの違う山田の回答に、玉木からも「『むり』っておかしいだろ!」とツッコミが。本人いわく、「世界を変えるなんて大それたことはできません……」

「相棒」と答えた玉木は、「結城は一匹狼だけど、やっぱり1人では生きられない気もするし、相棒がいたほうが世界を変えられる気がします。違う映画の宣伝ではないです(笑)」

最後はキャストを代表して玉木が挨拶。「手塚治虫さんの生誕80周年という年にこの映画が公開されることになり、嬉しく思っています。大きなスクリーンで見る価値のある作品だし、『何が善で何が悪か』というメッセージが皆さんの心の中に残るのではないかと思います」と本作をPRした。

フォトセッション中も絶好調の山田孝之

映画『MW -ムウ-』は、7月4日より丸の内ルーブルほか全国ロードショー。