富士通は、DBのようにスキーマを定義することなく、データを蓄積するためのソフトウェア「Interstage Information Storage」と、業務システムからデータを収集・結合し、目的のシステムへ配布する「Interstage Information Integrator」を新たに販売すると発表した。

従来はデータを貯め、それを活用するためには、とりあえずDBに蓄積していくというのが常であった。しかし、データ変化に伴うスキーマの変更等システムの修正が必要で、またそれに伴うレスポンスの悪化を招く危険性もあった。富士通が、これらの課題を解決するため「まず集める、まず貯める、使うときに自在に統合して活用する」をコンセプトに開発したのが、データを統合して収集するための「Interstage Information Integrator」と、データを蓄積するための「Interstage Information Storage」だ。

新製品の活用用途

「Interstage Information Integrator」では、各種のデータソースと連携するためのアダプターやプロトコルを豊富に装備するとともに、多様なデータの文字コードやデータ形式の差異を吸収した。

DB連携では、Symfoware Server V8.0/V9.0/V9.1、Oracle Database 9i/10g/11g、Microsoft SQL Server 2005/2008に対応し、データベースからの全件抽出、条件抽出、データベースへのデータ置換、追加、更新が可能。項目編集では、項目選択、項目並び替え、項目結合・分割、条件抽出、ソート、ジョイン、集計などのレコード編集のほか、文字コード変換、データ表記の統一や、マスターコードとの比較による置換え、FLAT-CSVのフォーマット変換などが行える。

Interstage Information Integratorが対応する形式

これらデータ操作の指示は、システムの設計時に作る仕様書(デザインシート)をインポートすることで定義する。これにより、データの所在、形式や変換ルールなどの定義が自動生成され、テストや運用にそのまま利用できる。

変換されたデーダは内部に一次的に蓄えて、ある決まった単位にまとめてから出力する、決まった時間に出力なども行えるという。

複数マスタの同時マッチングや複数条件の一括仕分けも可能

出力されたデータは、自社あるいは他社製のBIツールで活用したり、帳票、検索などに利用することができ、Interstage Navigator、Interstage List Creator、GLOVIA、SAPにはテンプレートも用意される。

一方、「Interstage Information Storage」は、基幹系業務データだけではなく、マーケティングデータやWebアクセスログといった多種・大量なデータをファイルの形のまま格納するソフト。これは、厳密なフォーマットでデータを格納する方式ではなく、データにメタデータを付与して格納する方式を採用したため可能になったという。

また、データの圧縮転送技術により、RDBに対し5分の1のストレージコストで格納できるという。

「Interstage Information Storage」の概要

データはフラットファイルに格納し、項目単位で抽出が可能だという。各データは、項目名付きの非構造データ形式(CSV,XML)で蓄積される。

「Interstage Information Storage」の利用範囲

また、保存期限の過ぎたデータを自動的に削除する機能もある。

販売価格は、Interstage Information Integrator V10が150万円から、Interstage Information Storage V10は450万円からで、いずれも7月末から出荷される予定だ。