通信機器メーカー大手のNokia Siemens Networksが加Nortel Networksの部門買収を提案していると、経済紙の米Wall Street Journal (オンライン版)が4月7日(現地時間)付けの記事で報じている。
Nortelは今年1月に米国とカナダの裁判所に破産申請を行っており、事業見直しによる再生を目指している。今回のNokia-Siemensによる買収提案は事業の集中と選択におけるNortelの資産売却の一環であり、このほかにもAvayaやSiemens Enterprise Communicationsなどの企業が事業買収に名乗りを挙げているといわれる。
WSJによれば、現在Nokia-Siemensが買収を模索しているのはNorteのキャリア通信と研究開発部門の2つだという。キャリア通信部門には通常の加入電話ネットワークのほか、携帯電話ネットワークなどが含まれる。この部門はNortelの営業利益の大部分を稼ぎ出すドル箱であり、米国を含む北米の通信キャリアのシェアのほとんどに同社のシステムが導入されている。今回の買収提案の対象として、特にCDMAのような携帯通信、旧式のTDM、VoIPの同部門の資産の大部分が含まれているといわれる。もう一方の研究開発部門では、次世代携帯の4Gネットワークの本命といわれるLTE (Long Term Evolution)関連の資産が主な対象とみられ、将来に望みをつないでいたNortelの虎の子ともいえる資産の大部分が売却対象となりそうだ。
Nokia-Siemensはフィンランド企業で携帯最大手のNokiaとドイツの電機メーカー大手のSiemensのジョイントベンチャーとして誕生し、通信キャリア向けシステムの開発や販売を行っている。業界では最大手の1つではあるが、昨今の不況による投資抑制や競争激化もあり、業績としては非常に厳しい状態が続いている。Nokia-Siemensではライバルの1つであるNortelの吸収で主に北米地域での競争力を高め、業界最大手の仏Alcatel-Lucentを追撃するのが狙いとなる。
連邦破産法第11章申請後のNortelの資産売却を巡っては、さまざまな報道が行われている。Nortelではどの部門が対象となり、売却先候補がどの企業であるかは明言こそしていないものの、企業再生に向けて資産売却を模索していることは認めており、水面下での業界他社による綱引きが行われていることがうかがえる。
WSJでは3月中旬にも同件における買収観測を報じており、ここではAvayaとSiemens Enterprise Communicationsの名前が候補として挙がっている。Avayaは音声通話システム、Siemens Enterpriseは企業向け通信機器を取り扱うメーカーだが、それぞれがNortelに部門買収を提案して北米での販売力強化や事業効率化を模索していることになる。
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