大日本印刷(DNP)は4月6日、字幕映像に最適な明朝体フォント「秀英横太明朝」のライセンス提供を開始すると発表した。その第一弾としてカンバスの字幕制作ソフト「SST G1」向けに提供するとし、カンバスは「SST G1」のオプションとして同フォントのBoldを4月13日より、Mediumを5月下旬から販売する。価格は太さ1種類につき10万円(税抜き)。

カンバス「SST G1」での同フォント利用イメージ

「秀英横太明朝」は、はっきりと読みやすい映像用明朝体フォントの需要に応えるために、「秀英体」の横線を太らせることによって視認性を高めたという同社オリジナルの書体。2008年7月の開発以降、同社子会社のDNP映像センターがドキュメンタリー、アニメ、企業のプレゼンテーション映像などで利用し、十分な実績が得られたことから社外へのライセンス提供を開始することにしたという。

「秀英横太明朝」と他の書体との比較

ライセンス提供を受けるカンバスは、映像字幕の分野でトップクラスの導入実績を誇るというソフト「SST G1」のオプションとして同フォントの販売を開始する。仮名書体については、等幅フォントに加え周囲にすき間のある"り"、"ト"、"ュ"のような文字を自動的に詰めるプロポーショナルフォントも提供するとのこと。これによって、手作業で1つ1つすき間を詰める従来方法に比べて、最適な文字配置を容易に実現できるとしている。

同フォントの等幅フォントとプロポーショナルフォントの比較

同フォントのフォーマットはTrueTypeで、搭載文字セットは、JIS第一・第二水準(漢字、仮名、記号)、欧文、数字、半角カタカナ、NEC特殊文字の約7,000字となっている。