金融庁は4月2日、2008年4月1日以後開始する事業年度から上場企業に対して導入された内部統制報告制度に関して、具体的な質問と回答をまとめた「内部統制報告制度に関するQ&A」に、24個の質問と回答を追加したことを公表した。

内部統制報告制度に関するQ&Aは2007年に20問公表され、その後に寄せられた照会などに対して行った回答などを整理した47問が、翌年6月24日に追加公表されている。

今回追加された主な質問と回答は以下のとおり。

  • 「重要な欠陥」の判断(問68~70、75、77)
  • 子会社の売却・業績悪化等により重要な事業拠点の選定指標が一定の割合に達しない等の場合の取扱い(問73、74)
  • 内部統制報告書の記載内容(問101~107)

例えば、「重要な欠陥の判断指標として、連結税引前利益ではなく、連結総売上高等の指標を使用することとしていたが、業績の変動により、社内から連結総売上高等の指標も適切でないとの指摘が出ている。指標の変更は可能か」という(問77)に対しては、以下のような回答が出ている。

1.実施基準では、重要な欠陥の金額的重要性の判断指標として、連結総資産、連結売上高、連結税引前利益などに対する比率で判断するとされており、これらの比率は画一的に適用するのではなく、企業の業種、規模、特性など、企業の状況に応じて適切に用いる必要がある。
なお、判断指標を決定する際には、企業の状況に応じて、評価対象年度の実績値だけでなく、過年度実績の平均値などを利用することも考えられる。
2.したがって、企業の状況に応じて指標等を変更することは可能ではあるが、恣意的に変更することは適切でなく、特に、予め定めていた指標を年度途中で変更する場合には、監査人と十分協議し、変更にあたっての合理的な理由が必要であると考えられる。

また、内部統制報告書の評価結果の記載内容については、表紙、基本的枠組み、評価の範囲・基準日及び評価手続き、評価結果、付記事項、特記事項の具体的な表記例が紹介されている。

内部統制報告書の表紙の例 資料:金融庁