エコ・パテントコモンズは23日(スイス時間)、リコーと大成建設が新たに加わったと発表した。

エコ・パテントコモンズは、新しいイノベーションを醸成する企業間のコラボレーションを促進することを目的として、持続可能な開発のための世界経済人会議(The World Business Council for Sustainable Development: WBCSD)、フィンランド・Nokia、米Pitney Bowes、およびソニーの4社・団体が2008年1月に設立した、開放された環境技術に関する特許共有資産のポートフォリオで、環境保全を目的とすることを条件に誰でも開放された特許に自由にアクセスし、活用できるというもの。独Bosch、米Du Pont、米IBM、フィンランド・Nokia、米Pitney Bowes、リコー、ソニー、大成建設、ゼロックスの世界的な企業9社から100件近くの特許がすでに開放されている。

今回、リコーは画像形成装置に使用される着脱式カートリッジの廃棄量を効果的に減らす技術に関する特許を開放した。この特許で紹介されている技術は、カートリッジの使用回数をカウントし、カートリッジの使用回数期限が過ぎていた場合はユーザーに警告を発するというもので、カートリッジを安全に再利用することに貢献する。

大成建設は、水質向上に貢献する2件の環境関連特許を開放した。一件は、河川、池、湖沼などの水辺の開発時に特殊なブロックを設置して水質を向上させる技術で、水に囲まれた人工緑地を構築する際、多孔質透水性コンクリートブロックを人工緑地の地盤上に水際に沿って積み重ねることにより、多孔質ブロックの穴に生息する微生物が環境汚染物質を分解し、水質を向上させることが可能というもの。もう一件は、湖や貯水池などの浅水域で効率的に水を循環させて水を浄化する技術で、水底を掘削して設置した筒に空気を送り込んで気泡を発生させ、強制的な水の循環流を起こすことによって、水の自浄効果を促進し、水深の浅い水域においても水質を向上させられるというもの。