フリービットは11日、事業戦略説明会を開き、2009年4月期第3四半期(2008年5月1日~2009年1月31日)決算などについて説明した。これによると、同期の連結業績は、売上高が前年同期比57.0%増の79億4,800万円、経常利益が同291.2%増の11億2,100万円。同社社長兼CEOの石田宏樹氏は「過去最高の売上を達成しながら、新しい取り組みもできた」と総括した。

「過去最高の売上を達成しながら、新しい取り組みもできた」と2009年4月期第3四半期の業績を振り返った、フリービット社長兼CEOの石田宏樹氏

連結営業利益は前年同期比174.4%増の11億6,400万円、同純利益も同339.5%増の11億5,800万円。連結子会社化したDTIや事業譲渡されたテレコミュニケーション事業の構造改革により、原価率を大幅に削減したことで、利益が大幅に増加した。

通期目標に対する第三四半期までの進捗率も、売上高は72.3%、営業利益が72.8%、経常利益が74.8%となるなど、「第3四半期まで順調に推移した」(石田氏)。

事業区分別に見ると、DTIやisao.net、BIWAネットなどのブロードバンド化事業の売上高が前年同期比62.2%増となり全体の増収に寄与。事業者向け、個人向けのFTTHインターネット接続サービスが堅調に推移した。また、集合住宅向けIP電話サービスや通話報酬型広告ソリューション「Ad SIP」などからなるユビキタス化事業も、前年同期比42.4%の増だった。

石田氏は、「買収で取得したisao.net、BIWAネットのISP事業をDTIに統合することにより、4月以降は月間2,000万円強の利益を出せる体制になる」と述べ、収益体質がより強化される見込みであることを明らかにした。

また、石田氏は2009年4月期において進めてきた同社の新しい取り組みについても説明。

2009年2月に提供を開始したiPhoneをサーバ化するためのアプリケーション「ServersMan@iPhone」がすでに1万6,000人以上に利用され、近日中に「ServersMan for Windows Mobile」を今期内にリリースすると紹介。

さらに、フリービットと業務・資本提携を行ったエグゼモードと協力し、ユビキタス家電事業を進めていることも説明。その一環として、デジタル家電のストレージエリアにインストールすると家電を"ユビキタス化"できる「ServersMan Mini」を開発したことを発表した。

「ServersMan Mini」利用イメージ

デジタルカメラやビデオカメラのストレージエリア(内蔵/外部メモリ)にServersMan Miniをインストールし、これらをPCにUSB接続すれば、PCを介してデジタル家電がサーバとして起動。「デジタル家電がそのまま"放送局"となり、画像や動画を世界中に公開することができる」(石田氏)。

石田氏は、ServersMan Miniに続き、無線機能を搭載しての家電のユビキタス化など、今後もユビキタス家電事業を強化していく方針であると述べた。

同社では来期以降の3カ年の中期経営計画「SiLK VISION 2012.」を4月以降に公表する予定で、今後もその内容が注目される。