公正取引委員会は27日、日本音楽著作権協会(JASRAC)が放送事業者と結んでいる楽曲使用料に関する契約が、他の事業者の新規参入を阻んでいるとして、独占禁止法違反(私的独占)で排除措置命令を出した。これを受け、JASRAC側は同日緊急記者会見を開催。加藤衛理事長は「来週の公取委側の説明を聞いた上で、審判請求する方針」と怒りをあらわにした。
JASRACが楽曲使用料に関して放送事業者と結んでいる契約は「包括的利用許諾契約」と呼ばれるもの。音楽放送事業収入の一定割合を支払えば、JASRACの管理する楽曲を自由に使えるとする契約となっている。
公取委ではこの契約が、放送事業者が番組で実際に利用した楽曲の総数にJASRAC管理楽曲が占める割合を正確に反映しておらず、放送事業者が他の楽曲管理事業者に使用料を支払う場合に、その分だけ追加負担となると認定。
結果的に、イーライセンスなど他の事業者が楽曲管理事業に参入しようとする障壁となっているとし、この契約による楽曲使用料の徴収方法をやめ、別の徴収方法を採用するよう求める「排除措置命令」を出した。
JASRACでは、この命令が出された27日、緊急記者会見を開催。今後の対応について説明した。
加藤理事長はまず、「公取委からは来週月曜(3月2日)に説明を受けることになっており、その説明を聞かなければ分からないが、審判を請求する方針だ」と怒りをあわらにしながら説明。
JASRACが放送事業者と結んでいる契約が新規事業者の参入障壁となっているとの公取委の認識については、「JASRACの管理楽曲は毎年4~5万曲増え続けているので、放送事業者の収入に占めるJASRAC管理楽曲の割合は変わっていない」と強調。
「JASRACが管理していない楽曲の使用料については、放送事業者は昔から別途支払っていた」と述べた。
その一方、「公取委の命令は本日から効力を持つので、包括契約による現在方法による徴収はできなくなる」と述べ、「審判結果が出るまでの間、どういう徴収方法をとっていくか公取委と協議していかざるを得ない」とし、現実的な対処方法についても説明した。
現在とは異なる徴収方法として、使用した楽曲ごとに個別に徴収する「個別徴収」も考えられる。だが、使用楽曲を把握するためのシステム構築の経費が増えることも予想され、公取委とJASRACの協議の行方が注目される。
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