東京ビッグサイトで25日から開催されている「FC EXPO 2009 第5回国際水素・燃料電池展」と「PV EXPO 2009 第2回国際太陽電池展」では、一般ユーザー向けのエコアイテムも数多く展示されていた。その中から、「市販化はいつごろ?」というような質問を多く受けていたものを紹介しよう。

「FC EXPO 2009 第5回国際水素・燃料電池展」では、Horizon Fuel Cell Technologies(シンガポール)の商品などを販売するホライゾン フュエルセル ジャパンが、世界初の量産型低価格燃料電池バイクや、バイオエネルギーキット(エタノール燃料電池)のFC教育用製品などを展示していた。

ホライゾン フュエルセル ジャパンのユニークな製品たち(参考出品)。左から燃料電池バイク「HMX」、FC教育用製品、水素燃料電池を使用した携帯電話充電器「MiniPak」

同社の燃料電池バイク「HMX」は水素燃料電池による電動アシスト自転車で、1回のタンク充填で約300kmの走行が可能。250Wのブラシレスハブモーターを搭載し、総エネルギー量は1,200Whにもおよぶ。参考上代として4,600ドルと記されていたが、同社担当者によると「まだ日本では購入できない。水素燃料電池を自転車に積んで走らせていいのかという確認がとれていないし、ヨーロッパの仕様による電動アシスト自転車なので、日本で販売するためにクリアしなければならない問題が多い。水素は危険物の扱いでもあり、ユーザーが高圧ガスに直接触れることにもなるから」とのこと。その一方で、「1年以内には市販化したい。来年のFC EXPOには、実際に乗ってこの会場に登場できれば」とも話してくれた。

パワープラスティックを貼り付けた「パワーバッグ」

また、「PV EXPO 2009 第2回国際太陽電池展」では、トッパン・フォームズとコナルカによる有機太陽電池「パワープラスティック」が注目を集めていた。パワープラスティックは、光を吸収し、そのエネルギーを電源として出力できる軽量フレキシブル太陽電池パネルで、その軽くて自由に曲がる特徴を活かしてカバンなどに貼り付ければ、携帯電話などのモバイル製品を簡単に充電できるというメリットを紹介していた。

さらに、フィックスタイプ(はめ殺し型)の窓に取り付けることで、発電・遮熱できる太陽光発電ガラス「シーグ断熱システム」も注目されていた。翠光トップラインによるシーグ断熱システムは、窓の向こう側がガラスと同様に透けて見えるタイプの発電する窓ガラスで、窓ガラス外側表面には、防汚処理が施され発電ロスを減らす工夫もされている。ブースでは外気温が60度近い場合でも、室内は30度ほどに保たれながら、60Vほどの発電を行なっているところが紹介されていた。

このほか、災害時にも安定した電力供給を可能とさせる無停電「世界初 住宅用リチウムポリマー電池」(システムソーラー シリコン テクノロジー社)など、"世界初"や"業界初"と銘打つ参考出品などが数多く披露されているので、ぜひともこの期間に燃料電池・太陽電池の最先端をのぞきに行ってみてもらいたい。

シーグ断熱システム

住宅用リチウムポリマー電池