調査会社の米IDCは2月25日(現地時間)、2008年第4四半期ならびに通年の世界のサーバ売上の調査報告結果を発表した。同四半期の市場全体の売上は134億7,500万ドルで前年同期比14%減、通年売上は533億3,200万ドルの3.3%減となった。金融危機以降サーバ市場は急速に縮小しており、成長率がマイナスに転じたのは2四半期連続。だが一方で通年では出荷台数が2.0%増の810万台と初めて年間800万の大台を超えるなど、全体としては比較的高い水準にとどまっている。

第4四半期の実績をサイズ別にみると、ボリュームゾーンのPCサーバなどローエンドの分野での落ち込みが最も大きく、金額ベースで前年同期比-16.8%となった。ミッドレンジが-14.5%、ハイエンドが-7.5%と続く。IDCによれば、同一四半期内ですべてのセグメントが同時にマイナス成長に転じたのは2002年以来初めてだという。また売上ベースでの減少幅が-14%なのに対し、台数ベースでは-12%とわずかに幅が小さいため、全体に販売単価が低下傾向にあるようだ。IDCではこの現象を「7年前のドットコムバブル崩壊以来最大の落ち込み」と表現しており、少なくとも2009年末か2010年まで続くことになるとみている。

ベンダー別にみると、トップのIBMを筆頭にHewlett-Packard (HP)、Dell、Sun Microsystems、富士通/Fujitsu Siemens (FSC)が続き、ほぼここ2年くらいの順列を維持している。IBMで顕著だったのはx86サーバのSystem xの落ち込みが顕著だったことで、前述のローエンドサーバ不調をそのまま反映する形となった。だがこの現象はベンダー全体にいえることで、Sunを除くすべてのベンダーがx86サーバの売上でマイナスに転じている。

OS別のシェアもこうした傾向を反映しており、UNIXサーバが売上ベースで前年同期比-6.2%の水準にとどまっているのに対し、これまで好調だったMicrosoftのWindows Serverシステムが売上ベースで-17.8%と大幅な落ち込みを見せた。第三勢力にあたるLinuxは-7.0%だった。結果として金額シェアではUNIXサーバがトップで36.2%、次いでWindows Serverが35.3%、Linuxが13.6%と続き、UNIXとWindowsの順位が再び逆転した。その他の傾向としてはブレードサーバが好調で、前年同期比16.1%の売上増とプラス成長を記録している。全体の金額シェアでも10.4%となり、1つの巨大市場を築きつつある。

2008年第4四半期の世界のサーバ売上調査結果

会社名 4Q08売上 4Q08市場シェア 4Q07売上 4Q07市場シェア 成長率
IBM 48億9,500万ドル 36.3% 57億5,700万ドル 36.7% -15.0%
HP 39億1,400万ドル 29.0% 43億5,500万ドル 27.8% -10.1%
Dell 14億2,400万ドル 10.6% 15億8,000万ドル 10.1% -9.9%
Sun 12億5,200万ドル 9.3% 14億5,800万ドル 9.3% -14.1%
富士通/FSC 5億6,700万ドル 4.2% 6億6,600万ドル 4.3% -14.9%
その他 14億2,200万ドル 10.6% 18億5,800万ドル 11.9% -23.5%
合計 134億7,500万ドル 100.0% 156億7,400万ドル 100.0% -14.0%

2008年通年の世界のサーバ売上調査結果

会社名 2008売上 2008市場シェア 2007売上 2007市場シェア 成長率
IBM 169億8,800万ドル 31.9% 173億3,600万ドル 31.4% -2.0%
HP 157億5,100万ドル 29.5% 160億4,100万ドル 29.1% -1.8%
Dell 61億9,900万ドル 11.6% 62億6,100万ドル 11.4% -1.0%
Sun 53億7,700万ドル 10.1% 58億6,800万ドル 10.6% -8.4%
富士通/FSC 25億6,600万ドル 4.8% 26億7,600万ドル 4.9% -4.1%
その他 64億5,100万ドル 12.1% 69億4,900万ドル 12.6% -7.2%
合計 533億3,200万ドル 100.0% 551億3,000万ドル 100.0% -3.3%