今回発表されたCelerraシリーズの最上位機種である「Celerra NS-960」

EMCジャパンは2月25日、同社が提供するストレージ製品群「EMC Celerra」シリーズの新製品ならびに新機能の追加を発表した。EMC CelerraはNASタイプの統合ネットワークストレージで、これまで一体型モデルの「Celerra NX4」とゲートウェイモデルの「Celerra NS40G」がラインナップされていたが、今回新たに容量の自動減量機能やフラッシュドライブ(SSD)に対応した「Celerra NS-120」「Celerra NS-480」「Celerra NS-960」(以上、一体型)および「Celerra NS-G8」(ゲートウェイ)が追加された。とくに注目されるのは、業界初という容量の自動減量機能。使用頻度の低い、いわゆる"非活性データ"を自動分類して圧縮し、重複データを取り除くというもので、最大50%の容量削減が可能になるという。

EMCジャパン プロダクト・マーケティング・マネージャの雨堤政昭氏は、「ファイルサーバ統合はコスト削減の手段として非常に関心が高まっている。年率60%という驚異的な割合でデータ量は増加しているが、それに対応するためにサーバやストレージを次々と買い足すよりも、それらを統合して無駄を減らす向きが増えている」とし、「単に統合するだけでなく、本番サービスへの影響が最小限で済む1次ストレージの段階でデータ容量を大幅に削減する」ことを目指して登場したのが新・Celerraだという。

「ファイル共有環境でデータ量を減らす場合、周囲への影響も考慮しなければならない。圧縮という技術は、削減効果が非常に高いにもかかわらず、リソース消費の負荷はそれほどかからないため、有効な手段」と語るEMCジャパン プロダクト・マーケティング・マネージャ 雨堤政昭氏

データ量が増える一方で、その中身の約3分の2が90日以上アクセスのない、いわゆる"非活性データ"だと言われる。EMCは以前から非構造化データや非活性データの分類/圧縮を自動化するソリューションを提唱してきたが、Celerraの新機能である自動減量機能は、これをNASにも適用したものだ。自動化されたポリシーの下、使用頻度がすくないと判断されたファイルを圧縮、その後重複したファイルを削除する。雨堤氏によれば、この自動減量機能により「従来のファイルデータ1TBのうち、700GBを非活性データとすればそれを280GB程度まで、トータルで約580GBまでに削減することが可能。つまり全体で約50%まで削減できる」という。また、既存製品(Celerra NX4、Celerra NS40G)を導入済みの場合でも、保守契約を結んでいる顧客であれば、無償で同機能を追加することができる。

新機種ではそのほかにもエンタープライズフラッシュドライブ(SSD)の搭載や、従来の2倍に相当する最大960台のディスクドライブ搭載が可能になるなど、拡張性が大きく向上している。また、新機能として、コンプライアンス(法令遵守)対応のファイル保管も可能になっている。

提供開始時期は、Celerra NS-120(最大有効容量64TB)およびCelerra NS-480(同192TB)が2月25日から、Celerra NS-960(同760TB)およびCelerra NS-G8(896TB)が3月2日から。またCelerraシリーズの最小構成は実勢で約198万円からとなっている。