ソフトバンクモバイルは、3月上旬からイー・モバイルの回線を借り受け、MVNO(仮想移動体通信事業者)として定額のデータ通信サービスを提供する計画だが、これに対して業界団体が反対意見を表明している問題(※)で、ソフトバンクの孫正義社長は「電波の有効利用が国民への義務」だと話し、この協業が反対には当たらないという見解を示した。
※MNOのMVNO事業進出に対する意見表明について(社団法人テレコムサービス協会 MVNO協議会)
5日の決算説明会で孫社長が話した。今回の協業では、PCに接続してのデータ通信に関してイー・モバイルの回線を使い、ユーザーには定額でのサービスを提供する。孫社長は説明会の中で、「PC向けのデータ定額をやりたいが、現在ユーザー数を増やしているところで、やりたいけどできない」と話す。
それに対してイー・モバイルは、携帯事業の新規参入としてイチからネットワークを構築し、ユーザー数を伸ばしているが、「損益分岐点に達するにはユーザー数が足りない」(孫社長)状況。逆に言えば、ネットワークにはまだ余裕があるのだという。
孫社長は、イー・モバイルの状況を「空席のある飛行機」と表現し、この空席が埋められるなら「イー・モバイルにもメリットがある」(同)。
このため、ソフトバンクがパケット定額を提供できるようになるまで待つよりも、提携でWin-Winの関係となるように協業を決めたのだという。
この協業に対しては、テレコムサービス協会のMVNO協議会が反対意見を表明。具体的な社名については言及されていないが、キャリア同士のMVNOが「移動通信分野における競争促進、多様かつ低廉なサービスの提供による利用者利益の実現、及び、電波の公平かつ能率的な利用の確保」というMVNOガイドラインの目的に反していると指摘。
さらに協議会は、周波数免許を持つキャリアがMVNOになるのは、「可能な限り広範囲にわたり、多様なモバイル通信サービスの提供を可能とし、公平かつ能率的な電波利用を実現する設備を構築し、国民の利便に寄与する通信サービスを提供すべき」という「責務を放棄している」と厳しく批判する。
この指摘について孫社長は、「電波の有効利用が国民への義務で、有効利用の方法があればキャリア同士でも積極的にやるのが義務を果たすことになる」と反論する。
孫社長は、2006年の旧ボーダフォン買収時に約2万だった基地局がすでに5万数千局にまで達し、ライバルとなるau(KDDI)がまだ2万強の基地局だとして、積極的な設備投資を行っている点も強調しつつ、キャリア同士のMVNOが問題ないとの認識を示している。
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