Opera Software

WebブラウザにおけるJavaScript実行性能は、Webブラウザそのものの評価に直結する機能になってきている。実装競争も加速中だ。FirefoxもSafari / Chrome (WebKit)も次期JavaScriptエンジンは現在のものよりもドラスティックな高速化が見込まれている。

主要なプレーヤとして熱狂的なファンを抱えているブラウザだが、これまでJavaScriptエンジン競争に積極的に参加していないものがあった。Operaだ。しかし4日(ノルウェー時間)、Carakan - By Opera Core ConvernsにおいてOperaの次期JavaScriptエンジンが明らかにされた。Carakanはこの数カ月の間に数名の開発者とテスタで組まれたチームによって開発された新しいJavaScriptエンジンと説明されている。

Carakanと、従来のJavaScriptエンジンFutharkとの違いで注目されるのは特に次の2点。

  • スタック型のバイトコード処理からレジスタベースのバイトコードへ仕組みを変更。サイズを固定することで高速化を実現
  • ネイティブコード生成機能を実現

OperaはPCのみならずさまざまなデバイスへ移植されている。そのため他のビッグプレーヤと異なり、ネイティブコードを生成しない状態でもそれなりの速度を実現しなければならないという命題を抱えている。

ブログの内容によればネイティブコード生成機能を使わない状態でも、Opera 10 Alpha Presto 2.2 ECMAScriptエンジンと比較してSunSpiderベンチマークで2.5倍の高速さを示しているという。また、まだネイティブコード生成版ではフルスケール試験は実施されていないものの、いくつかの個別の試験で5倍から50倍の高速化が確認されているという。